野村総合研究所は12月19日、2012年までのネットビジネス市場5分野および携帯 電話市場3分野、放送・コンテンツ市場8分野の市場規模予測を発表した。
発表によると、ネットビジネス市場のうちBtoC(消費者向け電子商取引)の 2007年度末金額規模は4兆9387億円、今後はモバイルが市場拡大を牽引し、2012年度 末金額規模は10兆3234億円と予測している。インターネット広告市場は2007年が4737 億円、成長速度は鈍化するものの携帯電話向けの広告が伸び、2012年は7844億円に達 する見込み。同様にオンライン決済市場も携帯電話向けの拡大により、2007年度末金 額規模の1800億円から2012年度末には3924億円に増加すると予測している。
また、ブログ・SNS市場はブログサイト数および登録者数の増加により飛躍的に成長、2007年 度末の金額規模は443億円だが、2012年度末には約4倍の1758億円に拡大するとしてい る。さらに情報セキュリティ市場は重要インフラ関連システムの再構築や在宅勤務の 普及によるセキュリティ需要の高まりから拡大、2012年には4822億円を見込んでい る。
携帯電話市場は高齢者や子どもの携帯電話保有率の増加、2台目需要などにおり 契約開園数が2012年度末には1億1200万回線に達すると予測、しかし1契約あたりの平 均利用料の下落が続けば収入は2008年度の7兆2000億円をピークに減少するとしてい る。モバイルソリューション市場は携帯電話事業者のサービスの充実、端末の進化、 システム技術の高度化などにより2007年度末の2323億円から2012年度末には約3倍の 7060億円になる見通し。また、モバイルコンテンツ市場はデータ通信定額料金制の普 及などにより2012年度末には2007年度末より約500億円増加の3909億円になるとして いる。
放送・コンテンツ市場のうち地上デジタル放送は受信エリアが順調に拡大、 2012年時点で約4600万世帯、金額規模は2兆5000億円で2007年の約2倍に達すると見通 し。BS・CSデジタル放送は地上デジタル放送によるテレビの買い替えが後押しし、 2012年度末の金額規模は2007年度末の約2倍の7060億円に拡大するとしている。IP放 送市場も順調に拡大、2012年度末の普及世帯数は約140万世帯、金額規模は2007年度 末の約4倍の672億円と予測している。一方、ケーブルテレビ市場は成長が鈍化、2012 年度末の金額規模は3628億円で横ばいとなっている。
さらに、ワンセグなどの移動体向け放送サービス市場は普及台数が携帯電話端 末だけで2012年度末には4000万台を突破する見通し。音楽配信市場は「着うたフル」 などの配信サービス利用者は増加するものの、無料で楽曲を取得するユーザーが増え ることから、2012年度末の金額規模は2007年度末の約2倍の880億円としている。一 方、オンラインゲーム市場はパソコンや携帯電話向けに加え、据え置き型や携帯型な どで拡大することから2012年度末の金額規模は2007年度末の約2.5倍の4580億円に達 すると予測している。
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