現在の法律では違法に音楽や映画などをアップロードすることを規制し取り締まっているが、ダウンロード側も違法になるという案が国会に提出されることになった。このダウンロード違法化について、ネットユーザーはどのように考えているのだろうか?意識調査を行い、20代から40代を中心とする男女424名の回答を集計した。
ダウンロード違法化案が国会に提出されることについては、全体の60.6%が「知らなかった:今知った」と答え、認知率は39.4%。男性は46.1%と女性より約15ポイント高く、20代では53.8%と半数を超える認知率をみせた。
ダウンロード違法化に賛成か?反対か?の問いには、全体では「良く分からないが反対」が16.3%、「基本的に反対」が46.5%で、合わせると62.7%が反対派。男性や20代、40代では7割前後の高い割合となっている。
賛成派の理由について自由回答形式で聞いたところ、「著作権は守られるべき」「ダウンロードする人がいなければアップロードも減ると思うから」という意見が目立ち、「製作者擁護のために必要」とする意見や「当然のことだから理由はいらない」といった意見も見られた。
一方、反対派の理由については過度の著作権意識への否定的な意見が目立った。「そもそも規制しても無駄」「ちゃんと規制できるかどうか疑問」といった意見や、「不便になる」などといった声も多数見られた。
ダウンロード違法化が実現した場合、CDやDVDなどの購入頻度が増えると思うか?の問いには、「変わらない」が全体の69.3%で、性別年代別問わず7割前後の高ポイント。違法化されても、ダウンロード不要の媒体の購入は増えないと考える人が多いと言えそうだ。
また、著作権を無視した違法なコピーやファイル供給(アップロード)は減ると思うか?と聞いたところ、全体では「変わらないと思う」が42.9%。「減ると思う」は16.5%で、違法供給にも効果は薄いと見られている様子。
男女別では、「変わらないと思う」が男性46.5%、女性38.8%と男性の方が約8ポイント高い。年代別では、特に20代で「変わらないと思う」が50.8%と他の年代よりも約7ポイント上回る点が目を引いた。
ちなみに、音楽や映像に対し「今接している形式」の利用率と「ダウンロード違法化が現実となった場合接するであろう形式」の想定利用率を比較してみると、「購入」「レンタル」「ダウンロード購入」「知人との貸し借り」といったものはほとんど差がないが、「音楽プレイヤーへ記録」「パソコンに記録・管理」はいずれも違法化後の想定利用率の方が低い。ダウンロード違法化が音楽プレーヤーやパソコンに取り込むコンテンツの幅を狭めてしまうと予測しているのだろう。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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