Microsoftの「Live Search」担当部門は米国時間5月23日、同部門の公式ブログを通じて、オンライン書籍検索の取り組みを終了すると発表した。書籍検索サイト「Live Search Books」と学術論文検索サイト「Live Search Academic」は2008年5月の最終週に終了する予定で、これらの専用の検索サイトがなくなる代わりに、Live Searchで通常の検索を実行した際に、書籍と学術論文の検索結果が表示されるようになる。
「今回の決定が、われわれのパートナー、出版業界と学界、それにLive Searchユーザーを失望させることになるのは承知している」と、検索、ポータル、および広告担当シニアバイスプレジデントのSatya Nadella氏はブログに書いた。
今回の急な撤退が決まるまで、Microsoftの書籍デジタル化プロジェクトは、75万冊の書籍と8000万件の学術論文の本文をインデックス化している。Microsoftによれば、すでにスキャンした書籍のデジタルコピーは出版社に提供する予定だという。「われわれはこれまでの経験から、書籍の本文を調べられる検索エンジンを作るには、書籍の出版社と図書館が作る大量の書籍情報の集積場所を巡回するのが最良の方法になると予測している」とNadella氏は書いた。
「われわれの投資により、今では、こうした書籍情報の集積場所を作る技術を低コストで利用して、ビジネスや公共の目的で書籍の本文をデジタル化できるようになっている。われわれは今後も業界の発展を追い続け、将来のチャンスを見極めるつもりだ」(Nadella氏)
書籍のデジタル化は、Googleが「Google Book Search」プロジェクトで取り組んでいるが、テクノロジ業界にとって高いハードルとなっている。従来の出版社からほとんど協力を得られないためだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」