PCのSEOを経験されている方であれば、「site:」や「link:」といった特別構文は馴染み深いのではないだろうか。これらの構文を用いて、ウェブサイトの上位表示を達成する定量的な数字を導きだし、導き出された数字を目標に、施策を進めるということを当たり前のようにやっているだろう。
ところが、モバイルSEOではなかなか上記のようにはいかないのが実情だ。そこで、ひとつの指標として用いることができるのが、Googleの提供する「ウェブマスターツール」と、ヤフーの提供する「Yahoo!サイトエクスプローラー」である。
どちらもPCに主眼を置いて開発されたシステムのようで、実情と乖離する部分もある。しかし、まったくの手探りで進むより格段スムーズにSEOを実施することができるだろう。
そもそも冒頭述べた特別構文とは何か。これはGoogleやヤフーなどの検索エンジンから特定の情報を抽出するための命令文みたいなものだ。代表的なものをいくつか挙げてみよう。
特定のサイトを検索対象とする構文。「キーワード site:example.com」のように「site:」のあとに完全修飾ドメイン名(FQDN)を記述し、特定のサイトからキーワードに関する情報を検索するために使う。
SEOの施策を検討する上では、site構文を単独で使うことのほうが多い。この場合はヒット数が検索エンジンに登録されているウェブページの数(インデックス数)となり、自社のサイトがどのくらいインデックスされているかを調べることができる。
下の画像は、Google、ヤフーにそれぞれsite構文を実行した例。Googleでは196ページ、ヤフーでは672ページインデックスされていることがわかる。
特定のサイトにリンクしているサイトを検索する構文。Googleの場合は「link:example.com」、ヤフーの場合は「link:http://example.com」とすることでexample.comにリンクしているサイトの一覧を抽出することができる。
2008年8月時点において、Googleモバイル、Yahoo!モバイルでは少なからず被リンク数、つまり貼られているリンクの数が検索結果の順位に影響している。自社のサイトに貼られているリンクの本数と上位のサイトに貼られているリンクの本数を比較することで、達成すべき被リンクの目標数値を立てることが可能だ。
下の画像は、Google、ヤフーにそれぞれlink構文を実行した例。Googleでは550本、ヤフーでは6110本のリンクが張られていることがわかる。
このように特別構文を使えばSEOを実施する上で非常に有益な情報を手にすることができる。ところが、モバイルの検索エンジンでは使用可能な特別構文が限られており、重要な指標を得られない。
Googleではsite構文は利用可能であるが、検索結果に表示されるのは2件までとなっている。また、link構文は使用できない。ヤフーにおいてはsite構文は使用可能であるが、link構文は使用できない状況だ。そこで参考になるのがGoogleの提供するウェブマスターツールとヤフーの提供するサイトエクスプローラーだ。
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