モバイルSEOのポイント実践編--端末識別、IPアドレスに最適化する - (page 2)

中島淑志(アウンコンサルティング)2008年06月27日 13時20分

5.IPアドレスによるアクセス制限

 オープンな一般のウェブと異なり、モバイルサイトでは、各キャリアのネットワークからのみアクセス可能にしているサイトが多い。

 ここで問題になるのは、モバイルサイト用クローラーの多くがキャリアの保有するネットワークと異なる帯域で動作している点である。Googleモバイル、Yahoo!モバイルのクローラーのIPアドレス帯域は下記の通り。

  1. iMenu検索サービス

    NTTドコモの保有するネットワークで動作しているため個別の設定は不要。IP帯域はNTTドコモのウェブサイトで公開されている。

  2. EZweb検索サービス

    Googleにアウトソースしているため、Googleの保有する帯域になる。KDDIのネットワークと異なる帯域で動作しているため個別の設定を行う必要がある。IPアドレスはコンテンツプロバイダー向けのサポートサイト(SPICE)に掲載されている。

  3. Yahoo!ケータイ

    SoftBankモバイルの保有するネットワークで動作しているため個別の設定は不要。IP帯域はSoftBankモバイルのウェブサイトで公開されている。

  4. Googleモバイル

    Googleの保有するネットワークで動作しているため、Googleの保有するネットワークの一部に対してアクセスを許可する必要がある。Google Japan Blogに詳細が記載されている。

  5. Yahoo!モバイル

    非公開。Yahoo!では残念ながらIPアドレスが公開されていない。

 検索結果に表示されるためにはキャリアのネットワークに加えて上記の帯域からもアクセス可能な状態にしておく必要がある。

 弊社がインデックス社と共同でモバイル検索エンジンの満足度をアンケート調査したところ、「検索キーワードと検索結果が一致しない」「信頼できるサイトが検索結果に見当たらない」といった回答が寄せられた(参考:アウンコンサルティングとインデックス共同調査「携帯電話におけるインターネットおよび検索エンジンの利用状況」(PDF))。

 モバイル検索をより利便性の高いものにするためにも今回ご紹介した「キャリア/端末の識別」「IPアドレスによるアクセス制限」の2つについては最低限対応していただきたい。

 検索エンジン側のインフラやアルゴリズムの改善も必要と思われるが、モバイルサイトを取り巻く特有の環境のため、そもそもクロールが正しく行われない状態にあるサイトも多い。これらは運営者側に起因する問題のため、サイト運営者ひとりひとりが取り組まなければならない課題である。

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