「ナゾトキ」に学ぶ検索窓付き広告の成功法(後半)

アウンコンサルティング2008年01月30日 08時00分

 さて、前回から株式会社レベルファイブが制作・販売を行なっているニンテンドーDS用ソフト「レイトン教授と不思議な町」を事例に検索窓付き広告の成功法について解説しています。

 後半戦となる今回は、検索エンジン対策(SEM)とウェブサイトのコンテンツという2点について説明していきたいと思います。

検索エンジン対策(SEM)

 「レイトン教授と不思議な町」のプロモーションでは、「ナゾトキ」というキーワードで検索してもらうことで、ウェブサイトへの誘導を図っていましたが、果たしてSEMはきちんと実施されていたのか振り返ってみましょう。

 検索結果は常に変動してしまうものですが、「ナゾトキ」で検索してみたところ、プロモーションを実施していた当時は公式サイトがYahoo!でもGoogleでもオーガニックサーチ(非広告)で1位に表示されていたことを確認しています。

 さらに、検索連動型広告も1社独占で出稿していたので、検索したユーザーにとっては公式サイトへの動線が非常にわかりやすく敷かれていたと言えるでしょう。

 また、かねがね誘導広告として交通広告や屋外広告などのOOH広告(OOHはOut of Homeの略)を使っている企業に対しては、なぜモバイルの検索エンジン対策を実施していないのか不思議に思っていたのですが、筆者が知る限りこのプロモーションは初めてモバイル向けの検索連動型広告を実施したケースでした。

 移動中にパソコンを使える環境というのは稀ですし、外出先で目にしたキーワードを覚えていて、自宅や会社に戻ってから検索するかと言えば、それは実際問題としてかなり難しいことでしょう。

 では、気になる広告を見ても検索しないかと言えば、決してそんなことはありません。現在ではモバイル検索というものもかなり利用されていますから、携帯電話を使ってその場で検索するというケースが考えられます。

 実際、この「ナゾトキ」というキーワードは、最も検索数の多かった2007年2月時点の検索数(オーバーチュアの月間検索数)で見た場合、パソコンからの検索(携帯電話のフルブラウザを利用した検索を含む)が13万5,619回に対し、携帯電話からの検索が3万2,977回となっており、全体の2割の検索が携帯電話からとなっています。

 いかがでしょう。全体の2割と言えば、決して少なくない数字です。OOH広告で誘導するならモバイル検索エンジン対策は欠かさず行なっておいた方が良さそうです。さらに、パソコンを起動するのが面倒なので、もっぱらネット利用は常に起動状態にある携帯電話からという層も多くなっていますから、この携帯電話での検索数のなかには、自宅でテレビCMを見て、そのまま携帯電話で検索するという人もいたはずです。現在はワンセグ放送に対応した携帯電話も急速に普及していますので、今後はテレビCMからの誘導でも、やはりモバイル検索対策は必須と言えそうです。

 テレビCMやOOH広告などを見て、せっかくユーザーが興味・関心を抱いて検索したのに、結局サイトにたどり着けないというのでは、ユーザーにとっても企業にとっても、これほど不幸なことはありません。

 仮に、誘導広告が企業からユーザーへの案内状だとしたら、検索エンジン対策はユーザーがサイトへたどり着き易くするための案内板の役目を担っていると言えます。案内状だけ送って、案内板を立て忘れることがないよう、企業はさまざまなユーザーの検索行動を意識して、今後はSEMをより効果的に実施していただきたいと思います。

 さて、次に誘導先となるウェブサイトについて解説していきましょう。

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