コーレン:そのことについてはまず、なぜ大容量メディアが必要なのかということを考えなくてはなりません。我々が調べたところによると、デジタルカメラを使う多くの人は、メディアの限界までデータをため込み、これ以上撮影できないというところではじめてパソコンへと保存し直すという使い方をするようです。つまり、パソコンへの保存という作業を1回で済ませたいと考え、その作業自体を先送りにしているというわけです。
ところが、Eye-Fiを利用しているユーザーというのは、平均的に1カ月に4〜5回のアップロードを行っています。つまり、頻繁にパソコンやオンラインストレージ(サービス)へとバックアップしているのです。つまり、メディアの容量の大小というよりは、撮影したデータをどのようなアプローチで保存(バックアップ)するのかという使い方の問題がその根底にあるのです。
私たちは調査の結果、4Gバイトは必要十分な容量であると確信しています。というのも、こまめにデータをバックアップしてもらうことでデータの安全性を確保できるとともに、新鮮な動画をシェアするきっかけになると考えているからです。これは無線LAN機能を搭載するEye-Fiならではといえますね。
田中:米国では「WAYPORT」というプロバイダが大きなシェアを持っており、1つのIDで多くの場所から無線LANを利用することができます。ところが日本では、多くのプロバイダがサービスを提供しており、すべてのプロバイダをサポートすることができないため、公衆無線LANサービスに対応できないというのが現状です。ただし、livedoor Wirelessが実験的に行っている「MACアドレス認証サービス」(※)が実用化されれば、公衆無線LANサービスにも対応できると思います。
※MACアドレスを元に機器の認証を行う仕組みのこと。サービスにMACアドレスを事前に登録しておくことでウェブ認証(ID、パスワードの入力)をする必要がなくなり、無線LANの送受信範囲内に入ると簡単にオンライン通信ができるようになる。
コーレン:実は、米国でも同じような意見を多く受け取っています。しかし、我々が第一に考えているのはユーザーにとっていかに“わかりやすい、使いやすい製品”であるかということです。そういう意味では、「アドホック」という言葉を知っていても、実際に設定をしたことがある人はそれほど多くないのではないでしょうか。したがって、答えになるかわかりませんが、どうすれば簡単に使えるようになるのか、そしてわかりやすい使い方をどうすれば提案できるかというのを模索している段階です。
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