Messaging Anti-Abuse Working Groupによれば、一般的なISPはメールのクリーンアップのために、年間で1メールボックス当たり約8〜12ドルを費やしているそうです。もちろん、AOLほどの規模になれば、メールボックス当たりのコストはもっと低くなりますが、それでも1年に数千万ドルはかかっています。これは大変な金額です。こうしたコストは、最終的には接続料金や機能やサービスの縮小といった形で消費者に跳ね返ってきます。受信箱をクリーンに保つために、企業は相当の資金を投じなければならないからです。
メール送信企業は、電子メールを利用して、莫大な経済的利益をあげています。したがって、こうした企業に特権を与えることで、ISPがこうした高いコストの少なくとも一部を補うことができるようにすることは理にかなっていると考えています。
--サービスプロバイダーに配分する利益の割合は決まっているのですか。
はい。かなりの額になると思います。少なくとも、50%は超えるでしょう。
--このサービスは恐喝に等しいとか、料金所を設置し、サービスを利用しない企業からのメールをユーザーの受信箱から締め出そうとするものだという人もいます。こうした批判にどう反論しますか。
残念なことに、このサービスの内容は意図的に歪めて伝えられています。今の質問もそのひとつです。もう一度いいますが、これは任意のサービスです。このサービスを利用したい企業は、そうすることができます。通常のやり方でメールを送りたい企業は、これまで通りのやり方で送信することができますし、そうするでしょう。メール認証の価値を感じないなら、利用しなければいいのです。もし、このサービスが「電子メール税」なら、あらゆる人が課金されるはずです。しかし、そんなことはありません。これは任意のサービスなのです。このサービスから利益を得られる企業は利用し、そうでない企業は利用しないでしょう。
--このサービスは電子メールのあり方をどう変えるのでしょうか。電子メールはこれまで、完全に無料で提供されてきました。このサービスは、電子メールの経済性をどう変えると思いますか。
多くの人と同じように、私も電子メールはすばらしい、強力な媒体だと確信しています。メールアドレスは、世界中のどこにいても簡単に取得することができます。料金はほとんど、あるいはまったくかかりません。身分証明書を提示する必要もありません。匿名のアカウントが欲しければ、そうすることができます。これはすばらしいことです。しかし、それが現在、いくつかの問題を引き起こしていることも事実です。
これは「共有地の悲劇」の典型です。誰でも自由に利用できる共有資源を、一部の人が悪用しようとしているのです。われわれはこの問題を念頭に置いて、メール認証サービスを開発しました。このサービスの対象は、個人間のメールのやり取りではなく、企業による大量のメール配信です。私の知る限り、合法のメールを送信している企業の中で、スパムやフィッシングによって、この空間が荒らされていることに苛立ちを感じていない企業は一社もありません。
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