ヤフーが描く、媒体に依存しない「行動履歴分析型」広告とは? - (page 3)

別井 貴志 (編集部) 、構成:島田昇(編集部)2006年11月21日 19時28分

--写真共有サイトのFlickrやタグ共有サイトのdel.icio.usの国内展開における進捗状況を教えて下さい。

 どういう風にしようか迷いながらやっています。Flickrについては、先ほどのマイスペースと同じ問題をどう解決すればいいのかということで悩み中。ヤフー(のブランド)と関係なくFlickrをそのままやるのがいいか、それともヤフーのIDと連動して(ヤフーのブランドとして)使える写真共有サービスをやった方がいいのか――。どうせやるのなら動画もやらなければならないので、それも含めて検討しています。

--新しいサービスを立ち上げるスピードが落ちているのでは。

 CGM関連のサービスについては僕が悪くて、そもそも「やろう」という話をしていなかった。なぜなら、絶対に儲からないと思っていたから。今は前言撤回ということで、全速力でやれと言っている。これにも理由があって、収益モデルが成り立つようになってきたためです。

 どういうことかというと、従来は自分たちの悪口が書かれていることもあるようなCGMにブランディング広告を出すという広告主はなかなかいなかった。しかし、行動履歴に基づいて広告配信するビヘイビアターゲティングの広告手法が可能になってきたことにより、ターゲットが人そのものになってきたので、何の上に広告が載っているのかということが二の次になってきました。

 ヤフーがやりたいのは、例えば今から3カ月後に車を買い換える予定の人は、今何をしているのだろうかということを考えた上での広告。おそらく、そういう人はヤフーの自動車のコンテンツを見ていたり、ヤフーの検索で自動車や保険やローンについて検索していることが想像できます。そこで、この人がどこでどんなコンテンツを見ていても、そこに狙った広告を出すというようなモデルです。

 必ずしもYahoo! JAPAN IDの保有者でなくてもいいのですが、Yahoo! JAPAN IDの保有者であれば、その人が男か女かといったようなデータも組み合わせた提案ができるので、さらに狙いを明確に定めた広告展開が可能になります。これについてはヤフーの技術を使ってやっていて、これが今後、Overtureの検索連動型広告でも使われるようになる。このことが、先ほど触れたPanamaの話にもつながっているYahooにおける広告事業の大方針です。

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