一番会場から歓声が上がったのがZimbraのプレゼンだ。ZimbaraはBEA SystemsのCTOだったScott Dietzen氏をCTOとして迎え、投資家にはBenchmark Capital、Accel Partners、Redpoint Venturesといった有力なベンチャーキャピタルがバックについている。今回のカンファレンスのタイミングに合わせて、Zimbra Collaboration Suiteを発表した。
AJAXを利用した優れたUIを備えるこのコラボレーションツールのデモは、操作する度に会場から歓声が沸いた。メールの文章中にある「Next Friday」にカーソルを合わせるとその日のスケジュールがウェブ上に表示される。住所であればGoogle Mapが起動し、電話番号であればSkypeが起動する。
最後にKnowNowのプレゼンを紹介したい。KnowNowは有名ベンチャーキャピタルであるKleiner Perkins Caufield and Byersのバックアップを受けている。
今回、KnowNowでは同社のサービスであるeLertsのプレゼンを行った。eLertsはリアルタイムRSS通知を行うサービスで、RSSリーダーが不要だ。Channel GuideというRSSに対応したニュースサイト等のアグリゲーションサイトから好みのサイトや企業内のRSS対応した情報を登録する。更新された情報をリアルタイムにデスクトップに新着アラートを配信する仕組みだ。ブラウザーのツールバーもあり、簡単に操作できる。ブログを登録する際も簡単だ。RSSを標準とした情報のアグリゲーションと配信サービスの動向を感じるとることができた。
ソーシャルブラウザのFlock、イベントサーチのZvents、パーソナルサーチのRollyoなども興味深い内容であったが、あまり良いとは思わなかった。Real Travelは日本のフォートラベルと同じようなサービスだ。フォートラベルのサービスの方スタートも早いし、ユーザー数も多く、質も高いと感じた。ネット業界は米国が先行し、日本にビジネスモデルを持ち込むということがネットバブルの時では多かったが、Real Travelとフォートラベルのように日本の方が明らかに進んでいるサービスは多いと思う。
AJAX、オープンソース、RSSといったアプリケーション系のサービスが米国の方が進んでいる印象を持ったが、ネットサービスは日本の方が優れている。
日本が優れている理由として、日本の新興株式市場の好調やブロードバンドのインフラの普及が大きい。特に前者のIPO環境はシリコンバレーと比べて、日本は圧倒的に有利だ。IPOする社数は世界的に見ても一番数が多いのが日本である。
起業する環境が整ってきた日本のネット業界は世界的に見て、Web 2.0的な次世代サービスを生み出す土壌ができつつある。世界に誇るサービスが日本から生まれる日もそう遠くはないだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来