昨日の続きみたいな話を書く。
RBC Capital Marketsというウォールストリートの投資会社でメディア関連分野をカバーするJordan Rohanというアナリストによると、「MySpaceが親会社News Corp.の株主に対して生み出す価値は、今後数年間で150億ドル(今日の時点で、約1兆7500億円)にのぼる可能性がある」という。
ただし、この話を伝えたReutersのニュースのなかには、試算方法に関する詳しい情報は出ておらず、単に(Rohan氏が)「YouTubeやFacebookといった競合サービス(ともに推定100億ドル)からGoogle(時価総額1200億ドル)までを比較対象とした上で見積もった数字」とし書かれていない。また同氏の発言として、「MySpaceは数年以内に100億ドルから200億ドルの価値があることを証明する可能性がある("MySpace could demonstrate a value of between $10 billion and $20 billion within a few years")」との記述もあり、ずいぶんと大ざっぱな印象を受けるが、いずれにしてもMySpaceのビジネスが10億ドル(Billion US Dollar)のスケールで語られる事業になっているということだろう。それが本当だとしたら、News Corp.にとっては、昨年5億8000万ドルで手に入れた事業が数年で2〜3倍になる計算だから、随分と「お得な買い物」だったといえる。
そのほか、このニュースのなかには興味深いティップスもいくつか見られる。まず、MySpaceでは現在ビデオの広告枠が完売状態だが、その単価は「The Simpsons」のようなプレミアム付きのもので、1CPMあたり35〜40ドルにもなるという(以前に記したように、いちおうトップクラスとされるCNETやNYTimes.comが20〜30ドルだから、それと比較してもかなり良いレートかもしれない。また人気アニメーションとなれば視聴者の数も桁違いに多いであろうことは容易に想像がつく)。
前述のRohan氏は「強気の見通し」の根拠のひとつに、海外(=米国以外の)市場での非常に大きな訴求力("'massive' international appeal")を挙げており、その具体例として英国では現在1日に2万5000人が新たに加入しているとしている(英語圏以外ではどうなのか、という点についての言及はない)。
さらに、「MySpaceはいま携帯電話上で動くウェブアプリケーションを開発中で、3、4カ月後にはこれが公開になるはずだ」とあるが、これとゲストブログに執筆いただいている中島聡さんの会社、UIEvolutionが今月半ばにMySpaceと提携したこととの間に関係があるのかないのか・・・機会があればお尋ねしてみたいと思う。
最後に。昨日の記事のなかで、MySpaceの登録ユーザー数を「1億人超」と書いたが、上記のニュースには「現在9000万人超」とある(この夏に1日のビデオ視聴回数が1億回を超えたYouTubeの数字と混同してしまった)。訂正とともにお詫びを申し上げたい。
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