Web 2.0の次に来るもの--経済危機を技術革新のチャンスに

文:Richard MacManus
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年10月22日 07時00分

 世界的な経済危機がここ数週間、徐々に悪化しているが、ウェブにとってはどのような意味があるのだろうかと筆者は考えている。Read/WriteWebは、ビジネスやベンチャーキャピタルのニュースよりも、ウェブ製品やトレンドといったテクノロジに焦点を当てている。そのため、特集記事の記者の1人で、どうすれば起業家がこの時代を生き残れるかについてさまざまな投稿を行っているBernard Lunnを除いて、Read/WriteWebではこれまで、金融危機について取り上げてこなかった。

 しかし今、世界の金融問題がウェブテクノロジの行く末に大きな影響を及ぼそうとしていることは明らかだ。その様子は、われわれがあたかも、ウェブの一時代が次の時代に取って代わられる1つの大きな変曲点に到達したかのようだ。

 もちろん、前回の変曲点は、O'Reilly MediaによってWeb 2.0という言葉が作られた2004年頃だった。幸運なことに、Read/WriteWebが(2003年初めに)誕生して、間もなくのことだった。以来、Read/WriteWebはWeb 2.0に関するさまざまな記事を掲載してきた。また、ここ数年、セマンティックウェブやリコメンデーションテクノロジ、ウェブサイトのウェブサービス化、モバイルウェブなど、より意味のあるトレンドにも焦点を当ててきた。これらのメタトレンドはさまざまな特集記事で取り上げられており、以下のように、Read/WriteWebのベストページに選ばれたものもある。

歓迎すべき技術革新への回帰

 ソーシャルネットワークやマッシュアップ、ユーザー生成コンテンツなど、Web 2.0の成長や繁栄のサクセスストーリーは今後も続くだろうが、今こそ技術革新の時代だ。これは別に画期的な発言ではない。不況の時代に技術革新が推進されるというのは、昔から言われていることだ。O'Reilly RadarのNat Torkington氏は最近、これをWeb 2.0に関連付けて次のように述べた。

 「好景気のときは、企業は開発を指示し、優秀な人材を最先端技術の発展的な改良に従事させるのがせいぜいだ。企業は新しいものを追い求めるが、新しいものを作るのは得意ではない。景気が後退すると、技術者は、他者の仕事をまねるだけでは、多額の報酬を得られなくなる。2002年の大きなIT不況によって、37SignalsやFlickr、del.icio.usが誕生した。多くの企業にとって、彼らが作り上げたものに追いつくには、6年の月日がかかるだろうと言われている」

 というわけで、Flickrや37SignalsがWeb 2.0の初期に作り上げたものと同様、2008年から2009年にはウェブの技術革新という歓迎すべき回帰が見られるだろう。しかし、ウェブ起業家は経済状況を考慮し、調整が必要だ。以下に述べる通り、多くの人たちが、企業の最終利益に再び焦点を当てることが重要だと指摘している。しかし、Torkington氏が指摘したように、オープンソーステクノロジや比較的安価なクラウドコンピューティングインフラをよりいっそう活用する機会があることも、同じように重要だろう。

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