2008年に存在感を増すウェブアプリケーションやトレンドは一体何だろうか。この記事では、RWWの著者やエディターたちが現在のウェブ技術の流れについて思いを巡らし、2008年に何が起こるかを予想している。挙げられたトピックにはGoogle、セマンティックウェブ、オンライン広告、レコメンデーションシステム、Facebook、digg、オープン標準、モバイルウェブ、検索エンジンをはじめとする多くの項目が含まれている。
では、'08年のわれわれの予想をチェックしてほしい。そして、自分の予想をコメントに残してもらいたい。
Richard MacManus(ReadWriteWeb編集者):
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2008年には、コンテンツ取得やデータ連携で優れているセマンティックアプリケーションの人気が高まるだろう。HakiaやPowersetなどの検索エンジン、Wikipedia的な試みであるTwineやFreebase、内部でセマンティック技術を作っているアプリケーション(AdaptiveBlueやSnapなど)が好例だ。
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上記1.のセマンティックアプリケーションとも関係するが、'08年にはGoogleがより多くのセマンティックアプリケーションの実験を行うだろう。Knolsプロジェクトはそれほどセマンティックなものとは言えないが、そうした方向を示している。
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ウェブサービスがAmazonやMicrosoft、Google、Mozilla、そしてその他の「ウェブOS」とオンラインストレージを消費者に提供している企業の主戦場になるだろう。残念ながら、これはこの分野の多くの新興企業の終焉につながるかもしれない。
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ZohoやThinkFreeが、ウェブOfficeの分野で飛躍を図りたい大企業によって買収される。
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2007年の一連の買収を受けて、オンライン広告市場が整理統合されるだろう。VRMの実験や他の形態の非常にターゲットを絞った広告が出てくるが、メディアブランドに対しては引き続きCPCが主に使われ、ニッチサイトにはPCPが使われる。大きく話題になっているCPA(Cost per Action)は夢物語であり続けるだろう。媒体側がそれを望んでいないからだ。
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大手インターネット企業がオープン標準を取り入れ、お互いにデータのロックインではなく機能で競争しようとするようになり、われわれを驚かせるだろう(そう、これは希望的観測に過ぎないかもしれない)。
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2008年に生まれる最も興味深いウェブのイノベーションは、シリコンバレーではなくアジア(中国、日本、韓国)で起こるだろう。2008年には中国から少なくとも1社の新興企業が米国市場に食い込み、Twitterのような成功を収めるだろう。おそらくモバイルウェブアプリケーションの分野が有力だろう。
Marshall Kirkpatrick(ReadWriteWeb主席ライター):
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Twitterが買収される。
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多くの広告ネットワーク企業が、広告を付加するコンテンツを自ら制作し始めるだろう。そして現在のコンテンツ企業の一部が広告ネットワーク側に買収される。
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オンライン動画はライブやモバイルを含めどこにでもあるものとなり、それなしのインターネットはだれも想像できなくなる。しかし、これは大きなことには感じられないだろう。
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数社の大企業がOpenIDをアカウントと結びつけたログイン機能を提供し始めるだろう。
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レコメンデーションエンジンの価値がはっきりする。データの時代と呼ばれるときがくるだろう。
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Googleへの反乱が起こるだろう。多分、少なくとも今よりはもう少し。
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新しいウェブに関わっている人たちが、われわれすべてが畏敬の念を持つような本当に素晴らしいことをやるだろう。
Josh Catone(ReadWriteWeb主席ライター):
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Tumblrが買収される。
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プライバシーに対する関心が盛り上がってくるが、究極的には人々は本当には行動を起こさず、ほとんど何も変わらないだろう。一部の企業やグループ(例えばMozilla)はユーザーに今以上のプライバシー制御を提示するが、他の企業(Facebookがその例だ)は許容範囲を超え、ますます危険な方向に進むだろう。ユーザーはそのうち押し返してくるだろうが、2008年に最後の一線を越える出来事が起こるとは言いきれない。
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OpenIDがより多くの新興企業や大手のウェブ企業に導入されるが、多くの人(主流のユーザー層)は依然としてOpenIDを利用しないだろう。普及フェーズにはまだ2年はかかる。
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Facebookは成長を続け、そのプラットフォームは他の大きなソーシャルネットワークに採用される。Googleが冷や汗をかくだろう。
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2008年にはモバイルウェブの利用が大きな話題になるだろう。モバイルウェブはすでに世界の多くの地域で大きな話題になっており、欧米でも熱気を帯びてきたところだ。新しいモバイル機器ではウェブサーフィンの苦痛は減り、より多くの人がコンピュータから離れた場所でもオンラインになるだろう。
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主流メディアの報道が、顧客のウェブOfficeアプリケーション導入の触媒となる。MicrosoftはウェブOffice戦略の修正を迫られ、オンラインで完全なOfficeを提供するだろう(ただし後者は2008年には起こらない)。オフラインモード(GearsやAIR、Silverlightなど)が契機となり、今はまだなじみのないウェブOfficeアプリケーションを主流ユーザー層が採用するようになる。
Alex Iskold(ReadWriteWeb特集ライター):
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2008年は動きが遅く、慎重な年になり、前半は不況(あるいは不況への恐れ)に支配されるだろう。
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2007年のMySpaceのように、2008年には何らかの形でFacebookの人気にかげりが出始めるだろう。
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diggは大手メディア企業グループのどこかに買収される。
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われわれの習慣をモニターし、自動的にわれわれの好みを察する隠れたアプリケーションが出てくる。