2007年はリッチインターネットアプリケーション(RIA)フレームワークが爆発した年だ。最初に発表を行った主要なプレイヤーは、Adobeと同社のApolloフレームワーク(編集部注:現在はAIR(Adobe Integrated Runtime)と呼ばれている)だ。これについてはRichardが3月に触れており、わたしもTech中に記事を書いている。RichardはApploに関する解説記事も書いている。それに続いたのはMix 2007におけるMicrosoftのSilverlightの発表だ。MozillaはFirefoxの次のバージョンではオフラインモードの実装を計画しているし、GoogleもGearsと呼ばれる同社のオフラインフレームワークでこのゲームに参戦した。
RIAとオフライン機能の嵐が起こっているのはなぜだろうか。ブロードバンドや無線LANやモバイルが普及してきているのに、なぜデスクトップアプリケーションのことなど話しているのだろう。何かもっともな理由と、これらのフレームワークが役に立つ場面があるはずだ。この記事では、これらのRIAフレームワークの背後にある、想定されている用途とマーケティングについて詳しく見ていきたい。
これらのフレームワークと利用場面を理解するために、基本的な定義をする必要がある。WikipediaにあるRIAの定義から始めてみよう。
Rich Internet Application(RIA)は、従来のデスクトップアプリケーションの特徴と機能を持つ、ウェブアプリケーションである。RIAは通常、ユーザインターフェースに必要な処理をウェブクライアントに送るが、データの大半(プログラムの状態の状態の管理、データなど)はアプリケーションサーバ上に置いておく。
RIAは通常、次のような性質を持っている。
- ウェブブラウザの中で実行され、ソフトウェアのインストールを必要としない
- サンドボックスと呼ばれるローカルの安全な環境で実行される
- 公衆無線LAN空間を出入りしたり、オフィスからオフィスへ移動したりする間「随時接続」が可能
つまり、RIAの定義は、デスクトップ的UIを持つオンラインアプリケーション、オンラインアプリケーションのように見えるオフラインアプリケーション、オフラインになることも想定したオンラインアプリケーションの3つが交じったものということになる。一緒にすると、これらは少し紛らわしい。単に「豊かなユーザインターフェースを持ち、オフラインモードを持つブラウザアプリケーション」と言えば、簡単になるかもしれない。つまり、RIAはブラウザアプリケーションであるが、デスクトップアプリケーションのように動作するもののことだ(例えば、Outlookのように動作するリッチブラウザメールアプリケーションなど)。
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