この記事はJohn Milanが執筆した。これは2回連続記事の後編にあたる。前編はこちら。
明日のソフトウェアソリューションはどんなものになるのだろうか。それは、次の4つの要素からなると考えられる。インターネット、オープンソース、モバイルデバイス、そしてWeb 2.0だ。しかし、各要素のメリットよりも、全体として見たときに明日のアプリケーションがどうなっているかということについて、どのような青写真が作れるかが重要な問題だ。
わたしは、Web 2.0のメリットは何だろうかとしばらく悩んだ後、それを考えるために(Yahooに買収された後の)MyBlogLogのケーススタディを行うことにした。これは、最近多くの「ソーシャル」な要素のあるサイトで見られるようになっている、10人分のアバターを表示するサービスだ。Read/WriteWebの右側のサイドバーにも見ることができる。10人の見知らぬ人が自分の世界に入ってくることには不思議な魅力がある。現実世界では、目線を上げて遠くの方を見るようにしていなければならない。しかし、Web 2.0の世界では適当に誰かをクリックしてもいい。これは自分の覗き見的な衝動を満たしてくれるわけだが、ビジネス上のケースで、このメタファーに対応するものは見あたらない。実際、クリスマスパーティーに出席したころには、わたしはWeb 2.0が何か実のあるものというよりも、単なる雑音のようなものだろうと結論づけようとしていた・・・。
わたしの親友の1人は、医療記録転写サービス企業の共同所有者だ。わたしをクリスマスパーティーに招待してくれた彼は、彼らの会社の全ての工程を見せてくれ、その会社の核である、医療記録転写士に会わせてくれた。医療情報の口述音声ファイルをデジタルコンテンツに変換することが、この企業の収入元だ。注目すべきは、転写担当者たちが医療専門家たちとの間に作り上げた人間関係である。医師はそれぞれ1つや2つ、発音の問題や独特の言い回しなどの癖を持っているものだ。こうしたことから、転写士が医師に質問をする必要が生じる。1つの質問が別の質問につながり、医師たちはすぐに転写士のことをよく知るようになり、信頼するようになる。
部屋の中をぶらついて多くの転写士と話をしてみると、みな明らかに医療側のクライアントとの人間関係を「所有」していることがわかってきた。その場に来ていた2人ほどの医療側のクライアントと話してみたが、彼らが自分に割り当てられた転写担当者を非常に高く評価していることは明らかだった。そのような関係を反映して、彼らが使っているソフトウェアの次のバージョンのデモンストレーションでは、医師と転写士の双方の情報が見られる機能が付くことが示された。わたしが座っていた場所からは、MyBlogLogに似たところがあるように見えた。近くに寄って見ると、追加情報として音声ファイルや電子メールアドレスを実名や略歴を含む個人情報に変換したものや、ブログまでもが添えられていた。
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