Salesforce.comのMarc Benioff氏とGoogleのEric Schmidt氏は、サンフランシスコにあるFour Seasons Hotelのディナーシアターに設営された会場で「Salesforce for Google Apps」を正式に発表した。これは「Google Apps」「Gmail」「Google Calendar」「Google Talk」をSalesforce.comのプラットフォームに統合した製品であり、15カ国語で提供される。
Benioff氏は、目的の1つは「ITの障害物を取り除くことだ」と述べた。
Benioff氏はまたMicrosoftも一種の障害物であり、クライアントやサーバの過去にしがみついている保守的なソフトウェア企業であると述べた。かつてBenioff氏はMicrosoftを時代遅れの恐竜のようなものだと説明したことがある。
Microsoftはいまだに恐竜から脱却していないと思う。それが「Microsoft SQL Server」であれ「Windows NT」であれ「Microsoft Windows」であれ「Microsoft Office」であれ(これらはMicrosoftにとっては失いたくない貴重なドル箱である)、Microsoftはこれまで以上に自社が保有する技術を中心に築いたその独占的な地位にしがみつこうとしている。
Benioff氏は、成功するためには単にエンタープライズソフトウェアの巨人たちを補完する存在に甘んじるのではなくて、いずれはそれらに取って代わることが必要だと認識している。Googleとの提携はあからさまにMicrosoftを標的にしたものであると同時に、Benioff氏にとってはシリコンバレーで現在ナンバー1の企業と手を結ぶ都合の良い機会なのである。
「顧客は新しい世代のソフトウェアを要求しているが、旧世代の旗手たちはそれに応えていない」とBenioff氏は発表イベントで語った。そして「時代の大勢はアプリケーションをクラウドで実行する方向に推移していくだろう」と宣言した。Microsoftは偶然にもこの発表と同日の米国時間4月14日、「Microsoft Dynamics CRM 4」の30日間無償トライアルの初日をスタートさせた。
Schmidt氏もGoogleとSalesforce.comの提携について自分の意見を述べた。「この次世代のサービスを構築するために何が必要かをわれわれは知っている」とSchmidt氏は語り、「さまざまな価値を持った企業が必要とされている」として、Salesforce.comの社会的責任におけるリーダーシップに言及した。重要なことはSalesforce.comがクラウドからサービスを販売して利益を上げるモデルを考案したことだとSchmidt氏は述べた。そして「このモデルは新しいコンピューティングクラウドの時代を定義づけるモデルであり、20年、30年または40年先を見越したビジョンである」と語った。
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