美をサポートするプロデューサーの仕事と素顔

瀬井裕子(編集部)、写真:津島隆雄2007年08月02日 18時37分

 全国の女性と美容室向けの情報サイト「サンドリヨン」。住所やメニューなどの美容室情報などにとどまらず、全国の美容師の趣味や私生活など、女性が美容室を選ぶうえで手がかりとなる情報をより多く伝えている。一方で、美容師向けには人気美容師の技術動画など実用的なコンテンツを準備し、女性と美容師にきめ細やかなコンテンツを提供しているのがこのサイトの特徴だ。

 サイトプロデューサーは荒木まいさん。大手IT企業のトップ営業から2006年に転職。社外と社内の調整役としての自身の立場を、おだやかに微笑みながら語った。

サイトプロデューサーという仕事

 美容師さんって、人生観を共感できて初めて一緒に仕事させていただける方が多いんですよ。「愛」とか「幸せ」について語るところから始まったりして・・・・・・。

 「サンドリヨン」は女性と美容室がうまく出会えるように、きちんと情報を伝えるのが役割だと思っています。例えば表参道のお洒落な美容室で髪を切りたいのに、きらびやかな雰囲気に緊張して「嫌だ」と感じる女性はたくさんいらっしゃると思うんですね。お金を払って行くのに。

 でも、例えば金髪にブランドの服を着ているような派手な美容師でも、どんなお客さまに対しても心をこめて切っているんですよ。私自身、話を聞いていて感動しました。そのことを伝えていくのがメディアとしてのサンドリヨンの役割です。

 プロデューサーの仕事は、編集長と相談しながらコンテンツの提案もしますが、サイト全体のビジネスモデルを考えたり、カメラマンやスタイリスト、デザイナー、社内のシステム担当者それぞれの希望を聞いて、調整すること。社外の方とはとにかく「飲む」とか(笑)、単純に美容室から掲載料金や広告費用をとるのではないので、美容室でのサンプル配布などどのようにマネタイズするかを考えながら進めています。

 転職前はサイボウズで法人営業をしていました。営業部隊22人の中で女性は1人で。女性だから許されるというわけでもないけど、少し面倒なところを任されて他の営業とは違う動きをしていたと言われました。

 売り上げは良かったですし、昇格の話もあったんですが。なんだろうな、女性としてIT業界にいる中でもっと違うことをする方が必要性を感じられるのではないかと思って、それで転職しました。

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 売るものが明確ではないし、最初は何をどうしていいか分からなかったんですよ。美容師さんと仕事で話すのも初めてでしたし。今となってはメディアを持っての営業の面白さを感じますが。

 サイトとしては「嘘をつかない」ことに気をつけています。可愛いもの、誰もがきれいと思うようなものしか載せません。メディアとしてやりすぎないようにするのが、女性と美容室の両方のユーザーを大事にすることだと思っています。

 今は(一見華やかな仕事をしているけれども)普通の女の子が幸せに思うことをちゃんと幸せに感じられるようにしよう、ということに気をつけています。それが読者を大事にすることにつながると思うから。

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