インタビュー:西田隆一(編集部)
文:野田幾子
2005/10/24 08:00
検索サイトとして1997年8月よりスタートしたエキサイト。女性向けポータルサイト「Woman.excite」やコミュニティサービス「エキサイトフレンズ」を初め、翻訳、音楽情報、ゲームなど、幅広い範囲のサービスに手を広げてきた。インターネットのメディアビジネスを手がける企業として、2005年4〜6月期の単独売上が前年同期比50%増の21億円となったエキサイトの好調ぶりは、どこから生まれてきたのか。社長の山村氏に、インターネットのメディアビジネス成功の道のりや鍵となった変化のポイント、今後の戦略などを聞いた。
--山村社長が入社された1999年当時のエキサイトはどのような状況でしたか。当時ポータルサイトとしてはヤフーが抜きんでていて、インフォシークやライコス(注:2003年9月にインフォシークと統合)との競争だったように思います。
サーチエンジンとしてスタートしたエキサイトが、ポータルサイトへ移行しようとしていた時期ですね。当時は広告収入がすべてで、売上は月に1000万円程度。ページビューは月に約150万といったところでしょうか。ポータルサイトへの参入は最後方だったので、ライコスと下位争いをしていましたね。個人的にはそれまで社長を務めていたダブルクリックを辞めたときに、メディアに興味があり「広告を売る立場に回りたい」と考えたのがエキサイト入社につながっています。
--当時のエキサイトでは、「エキサイトフレンズ」によるコミュニティの形成が印象深いです。
ポータルサイトでアクセス数を伸ばすのはCtoCですしね。ヤフーが個人売買のオークションで伸びているように、エキサイトの起爆剤もコミュニティと捉えています。そもそもポータルサイトは単なるディストリビューターであり、本当にコンテンツを作っているのはコミュニティに集う人々です。当時集まっていた層もニフティの掲示板文化をそのまま継続していたような人たちであったし(注:パソコン通信隆盛のころのニフティは掲示板の人気が高かった)、東京のインターネットコミュニティ文化はそこから広がっていると思います。
--エキサイトは2002年に米Exciteより完全に独立し、さらには2004年11月にはJASDAQに上場を果たすまでになりました。競合他社の中には、消滅していったものまであるにもかかわらずです。エキサイトの成功は何がポイントだったのでしょうか。
それは至極単純で、「継続して売り上げを伸ばしていったから」です。収益とアクセス数も共にです。具体的には、「ヤフーとの徹底的な差別化」が功を奏したというべきでしょうか。ヤフーは検索にかけては圧倒的なナンバーワンなので、その点では競合するのをスッパリやめ、「エキサイトフレンズ」や「エキサイトチャット」ら、ユーザーコミュニティの育成の場へと力とお金を投入したのです。
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「エキサイトフレンズ」は、開始当初から携帯電話向けに有料でサービスを開始し、課金コンテンツとして収益性も高いサービスでしたが、CtoCの取引を提供する場所やコミュニティ、ひいては現在でもブログやソーシャルネットワーキングサービスは、広告媒体として成立しにくい。集客力は抜群であっても、広告収益と直結していきません。その壁にぶつかりました。
また、2001年当時は、広告主の7割がいわゆるドットコム企業でしたし、そのバブルもはじけて広告出稿が完全に止まってしまいました。2001年の7〜9月期にその傾向はありましたが、10月以降は明らかに前年に比べ1年ほど広告収入がマイナスになりました。それはエキサイトだけでなく、業界全体がそうだったのですが。
--そうなったときに、考えた次の手とは。
ユーザープロファイルを作り、ユーザークオリティーを上げることです。そもそも、私は1997年当時にインターネット広告のマーケットは3000〜5000億円に届くものだろうと考えていました。現在、2000億円まで到達していますよね。
課題は2つありました。ひとつは視聴者に向かって投げっぱなしのテレビ型モデルでなく、購読料と広告売り上げを回収できる新聞型モデルを作ること。もうひとつは広告媒体として価値を作ることです。
ヤフーは非常に大きな広告収入源があったけれども、収益そのものは下がっていっていました。それはなぜか。また、当時のエキサイトはポータルサイトとして4、5番目に位置していましたし、それでも広告主から選んでもらえるような媒体にならなければならない。それらを踏まえて試行錯誤していきました。ちょうど広告主もターゲットを絞った、商品ごとのマーケティングを求めていたのです。
あらゆる分野を網羅しているヤフーに追いつけ、追い越せと、ヤフーの姿を追いかけるのはやめました。雑誌に例えるとすれば、ヤフーはいわば、部数が多い大衆誌のようなもの。エキサイトが目指すのは部数が少なくとも広告収入が1億円を突破する、ハイクオリティーマガジンのような位置づけです。
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