ということで、今回もまずは写真をご覧いただきたい。はい、どうみてもこれはデジタルカメラ。日本の大手メーカーのサイバーなんたら、というカメラの最新モデルにそっくりなデザインである。
このように既存のメジャー製品のデザインをすぐ真似してしまうのは中国のマイナー企業の悪いところである。とりあえずどんな機能を搭載しているかを見てみることにしよう。
まずはカメラ画質。「8.0 mega pixels」と書いてあるが、絶対にウソ(笑)。だってこれ、市価で2万円くらいなのである。この値段でそんな画質ありえない!しかもレンズはかの有名なカールツアイスらしいのだが、これもウソに決まっている。
さらにズームは光学5倍?このメーカーは、こんなウソだらけのスペックのデジカメをどんな精神で作ったのだろうか。
ちょっと待て。そういえばこの店は、カメラ屋や家電店ではなく、ケータイショップなのある。なんでケータイ屋にこんなデジカメがあるんだろう?うーん、まさかそんなことは──いや、そんなはずはない。そんな馬鹿な……。とにかく店員さんに「ちょっと動作テストさせて」とこのデジカメを手に取ってみることにした。
背面を見るとたしかに大型ディスプレイがあるのがデジカメっぽい。でもなんで画面の下(右側)に緑と赤のボタン/ライトがあるのか。スイッチを入れてみると、画面の左上にはアンテナマークがある。画面には「Insert SIM」なんて表示が。なんで??ってことで一旦電源を切って電池を抜いてみたら、なんとそこにはSIMカードが入るらしい。しかも2枚!そう、こいつはデジカメじゃなくケータイだったのだ!なんてこったぁー!!
背面ディスプレイのデザインは、実は某韓国メーカーのケータイを真似ているようだ。画面上の受話器型のアイコンをタッチしてみればたしかに電話の発信画面が出てくる。またメニューキーを押せば中国ケータイにありがちなデザインのメニュー画面が表示される。もちろんきちんと通話もできる。そう、やっぱりこれは本物のケータイなのである。製品名は「雅星 C1000」。例によってメーカー名は不詳、というか一切記述がない。
でも見た目はデジカメそのものなのである。試しに前面のカバーを開けてみると、ちゃんとカメラが起動するではないか。約3インチの大型ディスプレイをそのままファインダーとして利用できるこの姿はまさしくデジカメだ。
ただしカメラ画質は最高でVGAまで。これで本当に2〜3メガピクセルあればデジカメとして使えるのにもったいないなぁ。
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