成長市場は検索を核に生まれる
いま、もっともインターネットで熱い市場が「検索エンジン」、「ブログ」、「RSS」だ。一般ユーザーの利用拡大はもちろんのこと、熾烈な技術開発競争とともに、そこから生まれる新たなビジネスインキュベーションに注目が集まっている。いかに先進的な技術を我がものにして、サービス化や収益化を図り新市場を制覇できるかが勝負というわけだ。
検索エンジン市場では、GoogleとYahoo!、MSN(Microsoft)の三つ巴の闘いが繰り広げられており、ニュースが出ない日はないと言っても過言ではない。この3強については後述するが、ここへ新たにAsk Jeevesも台頭してきた。
Ask Jeevesは、2001年9月に買収した独自の検索エンジン「Teoma」を用いている。単なる人気順ではなく、キーワードに関するオーソリティ(権威)度を分析してウェブサイトをコミュニティ(クラスタ)に分類し、各コミュニティの中で質の高いページを判断する「サブジェクト・スペシフィック・ポピュラリティ」と呼ぶアルゴリズムを採用している。あえてトップは狙わず、当面は検索の第2の選択肢になることを目指している。独自技術を使うことで、通常の検索結果のほかに検索ワードに関する話題を多くリンクしているリンク集サイトの表示や、自然文検索などの特徴を持つ。日本でも2005年2月に正式サービスを開始した。
さらに、日本勢を見ると2005年4月にライブドアが自社製の検索エンジンをGoogleに切り替えるなど、独自エンジンの開発から撤退する動きがいまだに見られる。この一方で、gooは2003年12月に独自エンジンからGoogleへと切り替えているが、現在gooラボで自社開発したさまざまな実験サービスを展開し、「ニュース記事表示高度化実験」や「3D検索実験」などが正式サービスとして投入されるなど、独創的な新検索サービスの開発には意欲的に取り組み続けている。
まずはこの検索市場の現状をおさえておこう。Nielsen//NetRatingの最新調査データでは、日本ににおける家庭からのアクセスで、2005年3月の利用者数は、Yahoo!検索が2239万5000人、Googleが1052万7000人、MSNサーチが518万8000人、goo検索が212万6000人となっている(グラフ1)。それぞれ、利用者数は現在も増加しているが、Yahoo!検索が突出している状況は2年前と変わらない。
また、月間ページビューで見るとYahoo!検索が151万5027PV、Googleが96万5062PV、MSNサーチが15万7182PV、goo検索が5万3240PVと、GoogleがYahoo!に接近している。これを1人あたりPVで見ると、Yahoo!検索が68PV、Googleが92PVとなり、Googleのほうがヘビーユーザーが多いことがわかる。
しかし、このようにYahoo!が突出しているのは日本だけの特異なことだ。GoogleとYahoo!検索のリーチを国際比較すると一目瞭然で(グラフ2)、海外ではGoogleの圧勝といえる。
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