中国は、同国で初めてとなる月探査機「嫦娥1号」をのせたロケットを、四川省南部の西昌衛星発射センターから打ち上げた。24日の現地時間18時5分(日本時間19時5分)に打ち上げられ、その1時間後となる現地時間19:15分に打ち上げ成功が発表された。
嫦娥1号の重量は2350kgで、寿命は1年強と見込まれている。発射後1週間強で月の周回軌道に乗せられる予定で、その後は目的である月の表面の3次元映像を作成したり、月の表面にある鉱物の分布状況や、地球と月の間の空間環境、月の表面の土壌の厚さなどを分析したりする。
嫦娥1号はこれらの調査結果を発信するほかにも、搭載した国家や国威を発揚する「愛我中華」や「我的祖国」など曲31曲を発信。テレビやラジオを通じて嫦娥1号の発信するこれらの曲を聴くことができる。
嫦娥1号は中国の月調査の第1段階としており、今後の月調査の第2段階として2007年〜2010年の間に月面探査機で月の表面を調べ、第3段階として2011年〜2020年の間に宇宙飛行士を月面に送り込んで調査をする予定だ。
中国メディアはこれを大々的に報道した。テレビでは全国ネットのCCTVの各チャンネルで打ち上げの様子が報道されたほか、ネットでも国営系サイトのほか、新浪(Sina)、捜狐(SOHU)、網易(NetEase)などの著名ポータルサイトではいずれも、写真特集や動画特集、それに中国の月計画についての紹介を載せた特設ページを設けた。動画コンテンツが当たり前となっているということは、それを再生する環境がもはや中国のインターネット利用者にとっては当たり前であることを意味している。
著名ポータルサイトでニュースとして扱われているが、ニュースのアクセスランキングを見ると、このニュースが他の人気ニュースと比較して読まれているというわけではなかった。中国人にとって嫦娥1号の打ち上げ成功は誰もが知っているニュースであろうが、誰もがものすごく興味を持っているニュースかというと、そうでもないようだ。
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