次に来る仮想現実(VR)ヘッドセットの大物は、「Quest Pro」や「Quest 3」でもなければ、期待されているApple製ヘッドセットでもないかもしれない。それに代わる候補としてあがっているのが、「PlayStation VR2」だ。2016年に「PlayStation 4」用のヘッドセットが登場して以来、長らく待たれているソニーの次期製品で、発売は2023年前半の予定だが、ソニーは時間をかけて情報を小出しにしており、それを見る限り、かなり期待できそうだ。ゲーマーにとっては、しばらくぶりに最も重要なVRハードウェアのリリースということになる可能性もある。
PlayStation VR2は、Metaの「Meta Quest 2」(旧称は「Oculus Quest 2」)とは違って、スタンドアロン式のオールインワン型ヘッドセットではない。つまり、USB Type-Cケーブルで「PlayStation 5」に接続する必要がある(当然、PlayStation 5を持っていなければならない)。発売日も価格もまだ発表されていないが、主要な詳細はかなり分かっている。スペック、デザイン、一部のソフトウェア機能の動作、そして専用タイトルも1つ確認されている。
PlayStation VR2は多くの点で、ずっとPlayStation 5に望まれてきたヘッドセットのように感じられる。新しいデザインは、配色的にPlayStation 5とよくマッチしており、ヘッドセットタイプのバイザーは、初代の「PlayStation VR」と似ているが、それより小型化している。PlayStation用の第2世代ヘッドセットとして、高解像度、振動機能付き、カメラ内蔵、視線トラッキング機能搭載というのは、誰もが夢見るハイエンドのスペックにふさわしいと言えそうだ。
2022年のはじめに、ソニーは待望のこの次世代VRヘッドセットについて、かなりの情報を公開した。2016年にPlayStation 4用として発売したPlayStation VRの後継機という位置づけだ。ソニーは、このヘッドセットについての詳細を小出しにして発表しており、スペックは1月の詳細なブログ記事で明らかにされた。一方、PlayStation 5用の「DualSense」コントローラーを思わせる、奇抜な専用VRコントローラーは、2021年のうちに発表されている。
また、最近では、VR内のゲームを配信する機能と、パススルーカメラによる室内スキャンの仕組みも公開された。
専用ゲームタイトルも1つ判明している。「Horizon Call of the Mountain」だ。「Horizon Zero Dawn」および「Horizon Forbidden West」と共通の世界で展開される。
ヘッドセットには、ユニークな振動フィードバック、コントローラーには高度なハプティックフィードバックが搭載されることも分かっている。そこに視線トラッキング、110度の視野角、フォビエートレンダリングなども加わる。フォビエートレンダリングとは、視野の中心に近いほど高解像度になる技術で、限られた画素数でもグラフィックが鮮明になる。
ソニーのPlayStation担当研究開発部門責任者を務めるDominic Mallinson氏は、視線トラッキングを搭載する可能性が高い、と2019年に米CNETに語っていた。
2022年以降に登場が期待されているVRヘッドセットの中では、ひときわ大きなゲームチェンジャーの1つになりそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」