TOTOによるバスルームの自動洗浄機能が売上を伸ばしている。コロナ禍における、おうち時間の増加と相まって、通常のシステムバスに比べ、金額的にプラスオンになる中、導入希望者が増えているという。今回、気になる自動洗浄機能を、東京新宿にある「TOTOテクニカルセンター」で体験してきた。
テクニカルセンター内には、システムバスやトイレなど水まわりの最新設備が並び、実際にその使い勝手を体感することが可能。商談など法人向けの施設になっているが、同ビル内には一般のお客様も入れる「TOTO東京センターショールーム」も備える。
TOTOが、バスルームの自動洗浄機能を発表したのは2016~2018年にかけてのこと。現在、バージョンアップを加えながら、戸建て住宅向けのシステムバスルーム「SYNLA」「sazana」、マンション住宅向けの「SYNLA」「Mansion Remodel」をそろえる。
入浴後の浴槽掃除が自動でできる「おそうじ浴槽」と、床周りをきれいにする「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」の2つを用意しており、バスルームをまるごときれいにできるのが特徴。家族全員がお風呂に入り終わった後に、日々の習慣としてボタン1つで洗浄しておくことを推奨しており、「床ワイパー洗浄で日々のお手入れをすることで、菌の発生を抑えることができる。おそうじ浴槽もそうだが、お風呂掃除がゼロになるものではない。自動洗浄を日々使っていただきつつ、通常のお掃除は2週間に1度程度していただけるときれいに保てる」(TOTO広報部)と掃除の回数を減らす効果があるという。
まず、おそうじ浴槽から体験してみた。浴槽には擬似的な汚れとして、人間の皮脂汚れに近い成分であるチョコレートソースを塗布。色が濃いことに加え、油を含むため、頑固な汚れを感じる。お掃除浴槽には、浴槽の縁に「洗剤投入口」を設けており、浴槽内には洗剤をまるごと投入できるようになっているとのこと。これにより、毎回洗剤を吹き付けておくなどの作業がなく、ボタンひとつで洗浄を開始できる。
浴槽内のほぼ中央に洗剤と水の吹出口があり、そこから洗剤、水が吹き付けられ、洗浄していく仕組み。デモンストレーションのため透明な風呂フタで閉じ、洗浄されている様子を確認させてもらったが、水流はかなり強め。洗剤、水の吹付けを6回程度繰り返しながら、汚れが徐々に落ちていき、最終的にはぴかぴかの仕上がりとなった。
標準、強力、節約の3モードを備え、汚れ具合によって使い分けが可能。浴槽の隅など、水が届きにくいなと感じる部分もあったが、何回か洗浄を繰り返すうちに汚れが落ちていった。オプションで約18万円で設置ができ、標準コースでの洗浄時間は7分程度。水道代は1回につき20円程度としている。
床ワイパー洗浄では、擬似的な汚れとして、かなり濃い目の入浴剤を塗布。こちらは、洗剤などは必要とせず、水と仕上げのきれい除菌水を使って洗浄をしていく。洗浄用の水は、カウンターの下に取り付けられたノズルから出てくる。気をつけて見ないとわからないほどの大きさだが、このノズルが向きを変えながら、床一面をきれいにしていく。
最初は手前の壁に水をあて、ノズルの近くから徐々に洗浄範囲を広げていく仕組み。水のスピードや角度を調整しながら、完璧に洗えるように設計しているという。みるみるきれいになっていく、というよりも、少しずつ確実に洗浄しているように感じた。デモンストレーションのため、10分程度での洗浄を見せてもらったが、標準モードでの使用時間は20分程度とのこと。バスルームの床は、ピンク汚れが目についてきて、気にしつつも目をつぶってしまう人もいると思うが、そういう時にさっと洗えるのでストレスが減りそうだ。
水での洗浄後には、TOTOの独自技術である「きれい除菌水」を使って仕上げることで、菌の繁殖を抑制し、清潔さを維持できるという。きれい除菌水は、水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分「次亜塩素酸」を含む水。除菌、分解、漂白などの機能を持ち、時間がたつともとの水に戻る特性を持つ。「ほっカラリ床の特性(床に刻まれたカラリパターンの工夫)により、翌朝しっかり乾き、最後にきれい除菌水を散布することで、菌を抑えられる」(TOTO広報部)と洗剤を用意する手間がないのも魅力的だと感じた。床ワイパーは約7万円前後で導入ができ、1回の水道代は10円前後になるとしている。
自動洗浄は登場以来、専用アプリ「おふろ」による遠隔操作や、スマートスピーカーと使って音声操作などの機能を追加しながら、つねに進化を遂げている。おふろでは、お湯はりなどの入浴準備から事前暖房、ボタンひとつでの洗浄など、お風呂の体験をより快適に変えているとのこと。贅沢と見る向きもあるかもしれないが、日々のお風呂掃除負担の軽減につながる全自動洗浄機能。高齢者など、お風呂掃除の負担が大きいと感じている家庭にも課題解決の1つとしておすすめしていきたい機能だと感じた。
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