Appleが新製品発表イベント「Peek Performance」で「Studio Display」を披露した時、最低価格が1599ドル(日本では税込19万9800円)で、比較的お買い得のように思えた。何しろ、既存モデルの「Pro Display XDR」は4999ドル(同58万2780円)で、かなりシンプルなスタンドすら999ドル(同11万7480円)で別売りだ。
発表から数日が経ち、新しいStudio Displayの仕様が業界に十分浸透した今、イベントで明らかにされなかったいくつかの点をAppleに尋ねてみると、Studio Displayはお買い得感がやや薄れるかもしれない。
まず気になる点は、最低価格そのものだ。この価格では、標準バージョンのディスプレイに、傾きを調整できるスタンドか、手持ちのスタンドやアームが必要なVESAマウントアダプタのどちらかが付いているだけだ。「傾きと高さを調整できるスタンド」に変更するには、追加で400ドル(同4万4000円)かかる。
また、「Windows」PCに接続した場合、搭載されているすべての機能が利用できるわけではないことにも注意が必要だ。
AppleはMacRumorsに対し、Studio DisplayはWindows PCに接続しても使えるが、一部の機能が無効になることを認めた。無効になる機能の1つは、「macOS」を要する「True Tone」だ。これによって、色再現の視覚的な正確さに影響が生じる。このことは、Studio Displayが対象とするクリエイティブな作業において、問題になる可能性がある。
さらに、AppleはMacRumorsに対し、「Studio Displayのスクリーン解像度はシステムによって異なる」と述べている。
ディスプレイ自体のこうした注意すべき点に加えて、内蔵のウェブカメラも、Windows PCでは機能の限られた標準的なカメラとしてしか利用できないようだ。複数のユーザーの位置を自動調整できるAppleの「センターフレーム」機能も、macOSでしか使えない。
誤解のないように付け加えるが、これらの問題はいずれも、Studio Displayが仕事用または家庭用のツールとして購入に値しないことを示すものではない。ただし、Windowsへの対応が完璧でないこの製品は、Macに依存する作業環境向けに検討されるべきだろう。さらに、「傾きと高さを調整できるスタンド」と、光沢を減らす「Nano-textureガラス」が欲しい場合は、2299ドル(日本では税込28万6800円)の出費が必要になることを頭に入れておくべきだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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