新型「iPhone SE」は、少しだけ値上げされて429ドル(日本では税込5万7800円)になったものの、依然として、Appleが販売する最も低価格の「iPhone」だ。今回の値上げによりiPhone SEは「iPhone mini」シリーズに少し近づいた。価格は、「iPhone 12 mini」が599ドル(同6万9800円)から、「iPhone 13 mini」が699ドル(同8万6800円)からとなっている。
価格設定以外でも、Appleは、SEシリーズとminiシリーズの差を埋めている。2022年のiPhone SEは、「iPhone 13」と同じチップに加えて、5Gのサポートなどの改善点も備える。今回の発表の前には、Appleが2022年秋に新しいiPhone miniのモデルはリリースしそうにないことが報じられていた。その一方で、同社は別の新型iPhone SEに取り組んでおり、2023年に発売される可能性があるとのうわさが、すでに流れている。
こうした報道と、米国時間2022年3月8日に行われたiPhone SEの発表は、今後、iPhone miniではなくiPhone SEがAppleの低価格の小型スマートフォンの主役になっていくことを示唆しているのではないだろうか。
Appleは、iPhoneのモデルごとの販売台数に関するデータを公表していない。しかし、第三者の報道を見る限り、iPhone 12 miniの需要は伸び悩んでいたようだ。一方、Appleは過去の決算発表で、成長をリードしている重要な要素として、2020年のiPhone SEを挙げたことがある。
アジアの経済ニュースメディアNikkei Asiaは2021年7月、販売不振が原因で、Appleは2022年にiPhone miniの新モデルを発表しない予定だと報じていた。MacRumorsによると、著名なAppleアナリストであるMing-Chi Kuo氏の予想でも、Appleの主力iPhoneのラインアップにiPhone miniの新モデルは含まれていなかったという。
Reutersの報道によると、市場調査会社Counterpoint Researchの報告では、2020年に「iPhone 12」が発売された後、iPhone 12 miniが2021年1月前半のiPhone 12シリーズの販売台数に占める割合はわずか5%だったという。また、2022年3月8日に発表されたCounterpoint Researchのレポートによると、2020年のiPhone SEは、2021年に最も売れたスマートフォンのトップ10にもランクインしたという。iPhone 12、iPhone 13、「iPhone 11」など、iPhoneの他のモデルもトップ10に入っていたが、iPhone 12 miniとiPhone 13 miniの名前はなかった。
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