パナソニックは、労働人口減少に伴う人手不足が慢性化している清掃業務を、ロボットの力で補う業務用ロボット掃除機を推進。3月には新製品「RULO Pro GRS2M -GRS2M」(MC-GRS2M)を販売開始する。長距離レーザーセンサーの搭載で大空間に対応する新世代機となる。
現在、ビルメンテナンス作業の半分が清掃に関わる業務と言われており、そのさらに半分が床面清掃に割かれているとのこと。「床面は、大型の掃除機を使って清掃されるのがメインで、パナソニックがロボット掃除機を開発した2018年頃は人手での掃除が主流。完全に人材不足だった」とパナソニック くらし事業本部 くらしアプライアンス社ランドリー・クリーナー事業部 マーケティング総括 ビジネスデザイン部開発営業課課長の鯛多聞氏は説明する。
人材定着率を含め、清掃業界における人手不足の深刻化に合わせ、2019年度以降、業務用掃除ロボットの導入が本格化。市場規模は2024年に150億円近くまで伸びると見られている。
パナソニックでは、こうした背景を受け業務用ロボット掃除機を開発。清掃能力を第一に、準備からゴミ捨てまでが簡単にできる省力化、コストパフォーマンスのある経済性の3つをコンセプトに取り組んできたという。
開発には、家電メーカーとして60年以上の実績を持つ掃除機のノウハウを投入。ゴミをかき上げるブラシ部分や隅までゴミを集塵する機構など、家庭用掃除ロボットのノウハウを生かしているとのこと。省力化においては、紙パック式にすることで、清潔かつゴミを捨てる手間を軽減。交換が容易なパック式の電池は電動アシスト自転車、持ち運びする際のハンドル部分は自転車部品など、社内の技術を活用することで、製品価格も抑えたという。
レーザー、赤外線、バンパー、超音波と4つのセンサーを搭載し、自己位置を把握し、障害物を避けながら走行することが可能。独自のブレードタイプのブラシを使い、じゅうたんの奥のゴミなどもしっかりと叩き上げ吸い込む。
第2弾となるMC-GRS2Mでは、レーザーセンサーの検知性能を片側約3.5mから、約25mへと長距離対応にすることで、エントランスホールや広い会議場などの清掃にも対応。従来、事前に清掃する時の地図を作成し、インストールする必要があったが、掃除機本体を清掃エリアで稼働させることによりリアルタイムで自己位置を推定し、自動的に走行地図を作成する自動走行地図作成機能も搭載する。掃除したくないエリアの指定も簡単にできるようになったという。
本体には約6時間の充電で、約2時間30分の使用ができる電池パック式のバッテリを内蔵。エラー発生時はメールで知らせ、清掃終了後には走行結果を通知するリアルタイム通知、ボタン操作で操作開始時間を設定できるタイマー機能にも対応する。
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