国際宇宙ステーション(ISS)が主に科学的な研究実験の場としての役割を担う時期は終わりを迎えつつある。米航空宇宙局(NASA)は、今後10年間にISSを商業運用に移行させる過程に関して、新たな詳細を報告書の中で明らかにした。これには、「地球低軌道の商業経済圏」への需要と供給を拡大するというNASAの計画も含まれている。
NASAはその後、ISSを「軌道から離脱」させて太平洋に落下させる予定で、ISSは2031年1月に寿命を終えることになる。
ISSが太平洋に落下するまでの活用策として、NASAは商業契約を締結することに注力している。すでにISSのドッキングポートに商用モジュールを取り付ける契約1件のほか、自由飛行する商用ステーションの設計に関する契約3件を締結した。
「米国の産業界は、宇宙ステーションの運用と並行して、このような商業目的地の開発を進めている。これらの目的地は、政府および民間セクターの顧客向けに、2020年代後半の運用開始を目指している」と、NASAは報告書の中で述べた。
今回の報告書は、米国のJoe Biden政権がISSの運用を2030年まで延長すると公約したことを受けたものだ。NASAは、かねてISSを地球低軌道を周回する商用宇宙ステーション兼民間企業向けプラットフォームに移行する計画に着手していたが、その後になって当初2024年とされていた終了時期が延長された格好だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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