米航空宇宙局(NASA)は、火星まで往復する有人宇宙飛行を実現させようと、人体から出る排泄物、二酸化炭素、ゴミなどの廃棄物を効率よく再利用可能にするアイデアの募集をクラウドソーシングサイト「HeroX」で開始した。賞金総額は2万4000ドル(約273万円)。
宇宙船や宇宙ステーションは閉鎖された環境であり、外部からの補給が難しく、容積も限られていて大量の物資を貯蔵しにくい。そのため、不要になった廃棄物を処理して再利用したり、無害化したりする必要がある。
もちろん、NASAはさまざまな処理システムを開発し、国際宇宙ステーション(ISS)などで運用している。ただし、火星までの往復ミッションは2年から3年かかる見通しで、別の宇宙船で物資を補給することも難しいという。そこで、より高効率なリサイクル技術などを実用化させ、長期間のミッションで使う計画だ。
人間の排泄物から水分や塩分を取り出すことのほか、たとえばゴミを処理して3Dプリンター用フィラメントのようなものを作り出す、といったことを想定している。具体的には、(1)不要になった資材の再利用、(2)糞尿の処理、(3)ロケット打ち上げ時の加速から機器を守る発泡スチロールの再利用、(4)二酸化炭素の処理という4カテゴリーでアイデアを募る。
寄せられたアイデアは、実現性や、5年以内に実用化できるかなどの視点で評価する。優秀なアイデアに対しては、それぞれ1000ドル(約11万円)の賞金を出す。
アイデア受付は、東部標準時(ET)3月15日17時に締め切る。結果発表は、4月26日の予定。
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