神戸市は7月9日、米国のベンチャーキャピタル「500 Startups」と2016年から続けているスタートアップ育成プログラムについて、2021年は「500 Founder Academy」と題し、毎回20社前後としている参加者枠を100社に拡大して開催することを発表した。
新型コロナをテーマにオンライン開催した2020年のノウハウを生かし、起業ノウハウを学ぶコンテンツやメンタリングなどを1カ月間行う。修了後は神戸市が別途運営するスタートアップ支援策「グローバル・メンターシッププログラム」への参加も可能で、2022年3月開催を予定しているデモディでの発表の機会も得られる。
日本発のスタートアップエコシステムを神戸から生み出すことを目指した短期集中型の起業家支援プログラム「500 KOBE ACCELERATOR」は、これまで1000社以上の参加応募があり、88社が参加している。半数以上は海外からの参加で、新型コロナをテーマにすべてのプログラムをオンラインで開催した2020年は、過去最高の応募者数を集めた。参加企業の資金調達総額は約120億円を超え、プログラム参加をきっかけに神戸市に拠点を構える会社もある。
世界各地から参加者が集まることから、プログラムは動画とライブを組み合わせ、時間と場所に制限されずフレキシブルに受講できるようにした。500 Startupsのメンターに随時相談できる「Ask Me Anything(AMA)」といった新しい試みも取り入れる。修了後に参加できる「グローバル・メンターシッププログラム」の詳細については調整中だが、国内外から集めた著名なメンターからのフォローアップを予定している。
また、神戸市が実施する「アーバンイノベーション神戸」や、先日始動した渋谷区との連携協定による起業支援策「NOROSHI Startup HUB(ノロシ・スタートアップ・ハブ)」との連携も検討されている。
神戸市は、2020年7月に内閣府のスタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市に選定され、今後5年で計1000社のスタートアップ支援を目標にしている。
神戸市のスタートアップ支援プログラムを担当する神戸市 企画調整局 医療新産業本部 新産業部 新産業課長の武田卓氏は「これだけ多くの参加者を同時に支援するのは500 Startupsとしても初めてで、新たな形の取り組みといえる。コロナ禍でリアルに集まれないマイナス面ばかり見ず、今だからこそできる支援策に力を入れたい」とコメントした。
今回は応募ジャンルを問わず、国内・海外の起業家または起業家候補を幅広く受け入れる。プログラムは50社ずつ2期に分けて実施し、第1期の募集は発表当日の7月9日から30日、実施期間は9月6日から10月1日としている。第2期は9月中旬から10月上旬に募集し、11月中旬から12月上旬の実施を予定している。書類審査を行い、応募多数の場合はヒアリング等で選考する。参加費は無料。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」