検索最大手のGoogleが、またしても独占禁止法違反の疑いに直面している。欧州連合(EU)の競争当局は現地時間6月22日、Googleが自社のデジタル広告商品を競合他社のものよりも優遇している疑いについて調査を開始した。Googleが競合他社に対し、ユーザーデータへのアクセスを制限しているかどうかもこの調査の対象となっている。
Reutersによると、Googleが2020年にオンライン広告の取り扱いから得た売上高は1470億ドル(約16兆3000億円)で、他のどの企業よりも多かったという。
「Googleは、ターゲット広告の表示を目的に利用するデータを収集し、広告スペースを販売し、オンライン広告仲介業者としての役割も担っている。そのためGoogleは、オンラインディスプレイ広告のサプライチェーンのほぼすべてのレベルに存在している」と、欧州委員会の競争政策担当委員を務めるMargrethe Vestager氏は声明の中で述べた。「Googleは、いわゆる広告技術スタックにおいて、競合するオンライン広告サービスによる競争を困難にしているのではないかと、われわれは懸念している」
Googleは先ごろ、フランスの競争規制当局の調査結果を受けて、オンライン広告事業の変更を約束し、2億2000万ユーロ(約290億円)の制裁金を支払うことに合意していた。また米国でも、同社による独占禁止法違反の疑いについて調査が続いている。
今回のEU当局の発表に対し、Googleの広報担当者は電子メールによる声明の中で、「引き続き欧州委員会との建設的なやり取りによって、同委員会の質問に回答し、当社の製品が欧州の企業や消費者に与えるメリットを示していく」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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