シャープ 代表取締役会長兼CEOの戴正呉氏は6月7日、社内イントラネットを通じてCEOメッセージを発信した。定期的に発信している同メッセージは、経営の観点から方向性を示したり、社員への奮闘を呼び掛けたりする内容が多いが、今回は「日本政府による台湾へのワクチン支援に感謝します」と題して、6月4日に政府が台湾に対して、124万回分のワクチンを提供したことに対するお礼が中心となった。なお、今回のCEOメッセージは、社外向けのウェブサイトにも掲載している。
戴会長兼CEOは「新型コロナウイルスが急拡大しつつある台湾に、日本からワクチン124万回分が提供された。今回の支援を決定した日本政府に対して、シャープのCEOとして、また、1人の台湾人として、心から感謝の意を表する」と述べた。
メッセージでは「日本でマスク不足が深刻になった2020年2月、シャープは、日本政府からの要請を受け、三重工場でマスクを生産することを決定し、台湾の技術支援も得ながら、3週間ほどで量産を開始した。その後1年あまりで累計2億枚を超えるマスクを出荷し、微力ながら日本社会に貢献してきた。こうした取り組みは、日本政府より感謝状を頂戴するなど、多方面から高い評価をいただくことができた」とした。
「現在、マスクに加え、光触媒スプレーや高性能フェイスシールド、ワクチン輸送にも活用されている適温蓄冷材など、さまざまな健康関連商品を展開しており、さらに6月2日には、銀イオン(Ag+)の抗菌作用によってマスク表面の細菌の増殖を抑制する不織布マスク(抗菌タイプ)の販売も開始した」と感染症対策につながる製品を相次いで投入していることについて言及。「シャープは引き続き、人々の健康や社会の安心、安全の確保に向けた取り組みを通じて、しっかりと社会に貢献していく」と締めくくった。
一方で、シャープでは、6月8日午前9時30分から、株主を対象に、シャープ製品を特別価格で提供する「2021年度株主優待セール」を開始した。
同セールは、株主総会の開催にあわせて行われる特別企画。戴会長兼CEOの肝煎れで実施されてきた経緯があり、2020年は、当選倍率が100倍を超え、入手が難しかったシャープ製マスクを、株主であれば抽選なしで購入できたことが話題を集めた。
専用サイトで、9桁の株主番号と、住所の郵便番号を入力してログインすると、同社のECサイトである「COCORO STORE」で、特別価格で購入ができる。期間は7月20日まで。
シャープでは、6月2日から、不織布マスクの新製品として、銀イオン(Ag+)の抗菌作用により、マスク表面の細菌の増殖を抑制する「不織布マスク(抗菌タイプ)」の販売を開始しているが、購入するには抽選販売に申し込んで当選するか、定期便サービスに申し込む必要がある。だが、今回の株主優待セールを利用すれば、当選しなくても、不織布マスク(抗菌タイプ)が優待価格で購入ができる。
なお、第127期定時株主総会は、6月29日午前10時からの開催が予定されているが、同社では、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、健康状態に関わらず、株主総会会場への来場を見合わせてほしいとしており、インターネットによる議決権行使を呼び掛けている。また、来場する場合には、検温やアルコール消毒、マスク着用などの感染防止措置に協力してほしいとしている。
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