畑の異常を電話で知らせる低価格な農業IoT「てるちゃん」--KDDIウェブが提供開始

 KDDIウェブコミュニケーションズは3月9日、センサーが圃場(畑)の温度・湿度・照度の異常を検知して農業生産者へ電話・メール・SMSで通知する農業IoT「てるちゃん」を正式リリースした。2018年より沖縄県糸満市にある複数の生産者と実証実験を行った結果、作業効率向上の効果を確認できたたため、リリースに至ったという。

農業IoT「てるちゃん」
農業IoT「てるちゃん」

 露地栽培やビニールハウス内など、電波が届く範囲であればどこにでも設置でき、温度・湿度・照度の管理を必要とする、どんな種類の作物の栽培にも活用できるという。また、監視したい時間帯や、センサーの測定値を利用者(生産者)自身で設定することが可能。利用者が使い慣れた自分の好みの通知手段(電話・メール・SMS)を選択でき、複数の通知手段を選ぶことも可能だという。

 また、通知するタイミング(検知後すぐ/指定時刻)を選択できるため、深夜の状況を監視して、起床時に通知を受けて確認することもできる。さらに、利用者が気になるタイミングで、てるちゃんに電話をかけるか、スマートフォンやPCなどのブラウザ画面上で閲覧することで、最新の温度・湿度・照度の測定値を知ることもできるという。

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 価格は、最小構成(ルーター1台・センサー1つ)なら機器費用が2万4750円、システム利用料が月990円で利用を開始できる。使った分だけかかる費用として、監視料金は1回あたり2円から、通知料金はメール利用なら0円から、確認料金はブラウザ画面からなら0円から利用できる。

 ルーターとセンサーの間の最大設置距離は約200m(見通し距離)、ルーター1台につきセンサーを8つまで接続できるため、隣接する圃場であれば機器費用を抑えて利用できるとしている。また、農閑期などてるちゃんが不要な時は利用を月単位で一時停止できるため、余計な出費を抑えられるのも特徴だ。

 現在のてるちゃんは、農業向けに最適化しているが、たとえば畜産施設の温湿度管理による家畜飼育環境の改善、食品や農産物倉庫の温湿度管理による品質の保全、オフィスや工場などの温湿度管理による労働環境の保全などにも応用可能。将来的には、センサーの種類を増やすことで、他の農作物や圃場環境にも対応していく予定だという。

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