MIT、折り畳まれた貴重な古い手紙をそのまま「仮想的に開封」--広げずに中身を読む

 マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、折り畳まれた文書に触れることなく仮想的に広げ、書かれた文字を読み取る技術を開発した。この技術を使うと、貴重な古い手紙などを損傷させることなく読める。

折り畳まれた手紙を仮想的に開く(出典:MIT)
折り畳まれた手紙を仮想的に開く(出典:MIT)

 欧州では何世紀も前から、手紙として送る紙を複雑に折り畳む「レターロッキング」という習慣があった。書かれた文章を読むには広げる必要があるものの、数百年も折られたままの紙は損傷しやすく、対応が困難だ。さらに、折り方や切れ目なども歴史研究の重要な情報であり、広げずに内容を読むことが求められていたという。

 MIT図書館やMITコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究者などは、物体をX線走査して得られたデータをコンピューター処理するX線マイクロトモグラフィ技術を応用。折り畳まれた紙を実際には広げず、仮想的に広げることを可能にした。1697年に書かれた手紙を解析したところ、折り畳まれた状態の手紙に触れることなく、文字の読み取りに成功した。

X線走査で折り畳まれ方などを解析(出典:MIT)
X線走査で折り畳まれ方などを解析(出典:MIT)
内容が読めた(出典:MIT)
内容が読めた(出典:MIT)

 なお、この処理に使用したソフトウェアは、GitHubで公開している。

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