欧州連合(EU)域内では、インターネットをはじめ、データに依存するすべてのサービスをどの国でも追加料金なしで利用できる。これは、EU域内に住む人や旅行者にとって大きなメリットの1つだ。EUはローミング規則を導入し、EU加盟国の住民が域内の他の国を訪れた際も、自国にいるかのようにスマートフォンを利用できるようにしている。EUは現地時間2月24日、2022年に有効期限が切れるこの規則をさらに10年間延長する意向を表明した。
EUはさらに、無料ローミング期間の延長だけでなく、規則の改善も提案している。この改善が実現すれば、欧州市民は域内の他の国に滞在中も、自国で契約しているモバイルネットワーク接続と同じ速度を保証されるようになる。したがって、EU域内のある国で5G接続サービスに契約しているユーザーが域内の別の国を訪れた際、その国の通信事業者が5G接続を提供可能な場合は、このユーザーの接続を4Gに限定することが許されなくなる。
さらに改善された新規則では、域内の他の国を訪問中の市民がその国の緊急サービスに簡単に連絡できるようにする。障がいがある携帯電話の利用者が利用できるサービスなど、緊急サービスの利用方法について旅行者の認知度を高める。また、国際ヘルプデスクなどを旅行者が利用しやすいようにし、追加費用が発生する場合は事前に十分な情報を提供することを通信事業者に求めるという。
域内市場担当欧州員会委員のThierry Breton氏は声明の中で、「これまでに多くの欧州市民が、EU全域で追加料金を払わずに使えるローミングサービスの恩恵を得てきた」とし、「EUのローミング規則は、確立され、成果を挙げた単一市場の基盤となっている」とコメントしている。
新しいルールはEU内のすべての国に適用されるが、英国には適用されなくなるだろう。英国がEUを離脱して以降、英国市民が欧州で無料ローミングの提供を保証されることはなくなっている。英国の通信事業者の多くは、顧客のために無料ローミングを終了する計画はないとしているが、今後はこの方針が変更される可能性もある。英政府の公式ガイダンスを確認した方が良さそうだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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