サービス誕生のきっかけは、共同創業者の1人であるErik Cheong氏とその恋人とのやりとりだった。フライトアテンダントとして世界を飛びまわる彼女は、オンライン通販で購入した商品の受け取りを近所に住む親戚に頼んでおり、不在配達に悩むことがなかった。
一方、Erik氏は当時、証券会社でフルタイムで働いており、いつも荷物は不在配達に。再配達をお願いしても、宅配業者が提示する配達時間は信頼できず、かといって郵便局で受け取るには長い列に並ぶ必要がある上、退社後や週末は営業時間外で受け取れないという不便な思いをしていた。
そこで、恋人の親戚のように近所に荷物を預かってくれる人がいてくれたらと考え、その思いを形にした。Erik氏の予感は的中し、Park N Parcelは創業第1四半期からユーザー数で330%増と着実にサービスを拡大している。
同社はオンラインマッチングのほかに、自ら宅配を担うサービス「Park N Deliver」も展開し、中小規模の企業と個人、また個人間の宅配をサポートしている。
Park N Deliverではこのほど、「シンガポール版メルカリ」とも言えるフリマアプリ「Carousell」との提携を発表した。Carousellはこれまで、商品の引き渡しはユーザー自身に委ねてきた。しかし、大きく重たい商品の場合、ユーザーが配送手段や直接会って引き渡すスケジュールの調整で手間取っていたという課題を、Park N Deliverの助けを借りて解決することにしたのだ。
Park N Parcelは今後も、Carousellのような若者に人気のオンライン通販サービスやグローバルな宅配業者とパートナーシップを結び、さらなる成長を目指す。海外展開も視野に入れており、進出先には配送問題が深刻な日本やタイの市場も含まれる。
”ご近所さん” に荷物を預かってもらうアプローチが現代のアジアにおいて受け入れられるか、日本進出も含めて今後に注目したい。
(編集協力:Livit岡徳之)
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