市立愛和小のプログラミング教育レポート(第2回):「Minecraft」でダンス創作、「レゴ マインドストーム」も登場 - (page 3)

野本竜哉(iOSコンソーシアム 文教WG 座長)2015年11月18日 07時00分

大人も熱中、午後のプログラミングワークショップ


親子でScratchのプログラミングに挑戦する参加者の様子

 午後は、午前中に児童たちが使用した各種プログラミング環境に、会場を訪れた一般の参加者や保護者にも触れてもらう約2時間のワークショップが開催された。親子で一緒にプログラミングに挑戦したり、時間を忘れてプログラミングに熱中する大人、子供に熱心にプログラミングを教える保護者の姿が各所で見られた。


多くの参加者を集めていた「littleBits」ワークショップの様子。テーブル上の緑やピンク、オレンジ色の小さなパーツ1つ1つがすべてlittleBitsのモジュールだ

 特に参加者が多かったのが、小笠原記子氏(K.I.T.虎ノ門大学院 三谷宏治研究室)による親子ワークショップ。「littleBits」と呼ばれる電子工作キットのモジュールを使い、「社会性のあるテーマをチームで掘り下げる「探究学習」と、五感を使ったプログラミング学習を組み合わせた「探究型プログラミング学習」(小笠原氏)という手法にもとづいた教室だ。

 littleBitsは、磁石で簡単につながるブロック状のモジュールを組み合わせて、光や音、モータなどを動かす「電子回路」のような物を作ることができる。モジュールには多くの種類があり、プログラミングの概念に合わせて大きく「命令」「結果」「制御」の3種に分類される。電子楽器メーカーKORG社が提供する音にさまざまなエフェクトをかけられるコラボモジュール製品もある。

 ワークショップでは「クリスマスを楽しむ!」というテーマのもと、参加者全員(子供も大人も)がチームを編成。社会を構成する「仕事」「生活」「観光」「娯楽」といったテーマからチームで1つを選択し、そのテーマにあった作品をlittleBitsと会場に用意された簡単な工作道具で制作、現実テーマをプログラムにつなげる過程を五感で感じつつ、親子で作品作りを進めていた。


ワークショップの最後には作品を一箇所に集めて1つの「街」を表現した

 また、別の教室には午前中の授業で展開されていたMinecraftを実際に体験できるブースも用意された。図工、算数、理科、社会など教科ごとにテーマを定め、同じソフトをそれぞれ違った角度から楽しめるようになっていた。この教室では一般的な家庭用ゲーム機(PlayStation)や携帯用ゲーム機(PlayStation Vita)を使ってMinecraftを楽しむ参加者の様子を見ることができた。


Minecraftワークショップでは教科別の切り口で4つの体験ブースが用意された。写真は「図工」ブース。クリエイティブモードで参加者が協力して巨大な構造物を作り上げていた

 今回のような実際にプログラミングが体験できるワークショップは全国各地で行われており、IT企業がサポートする形で複数回シリーズ開催されるもの、キャンプ形式で長期休暇に実施されるもの、塾が答えの無いものについて思考する「探求学習」の一環として取り入れるなど、さまざまな形で実施されている。

 ただ、今回の愛和小学校でのワークショップは普段通っている公立学校で、しかも無料で開催されるということもあって、保護者からも「ありがたい」と好評だった。プログラミング教育に注目が集まる中で、子供とともに親も熱中す るなど、今後の広がりを予感させる内容となった。

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