ここまでお読みいただくと分かるように、愛和小のプログラミングの実践では、学年を追うごとに内容が高度化している。6年生が用いたのは「実際に動くもの」に対してプログラミングを行うことができるレゴ社のロボット「マインドストーム」と、この夏にリリースされたばかりの「iPadからマインドストームにプログラミングができるアプリ」だ。
マインドストームのプログラミングはScratchと似た様にピースを組み合わせて命令を作っていく方式なのだが、レゴ社の製品らしくロボット側は物理的なパーツを組み合わせることで変形させたり、機能強化ができるようになっているのが特徴。今回は全員のロボットに「超音波センサ」「カラーセンサ」「タッチセンサ」を搭載していた。
この授業では、レゴのロボットシステムを使った協議会「WRO(World Robot Olympaid)」で審判も務めるレゴのエバンジェリスト吉野和芳氏(神奈川工科大学)が講師を務め、「カラーセンサを活用し、線に沿ってロボットが走行するプログラムを作る」「一定の距離を走行したら◯◯度回転という操作を繰り返し、床に用意された図形に沿って1周させる」「1周後に次のチームのロボットにタッチしたら、次のロボットが同じコースを走りだす」と言った課題が用意された。
さらに、この授業では算数の知識も活用。コースの線の長さと、マインドストームのタイヤ直径と円周率からタイヤ1回転で移動する距離を算出。「何回転させれば必要な移動ができるか」などを机上で計画し、iPadからプログラムに打ち込む。ただし、計算上は正しくても実際にはスタートの位置や床の凸凹など物理要件が存在するため、トライアンドエラーや微調整を繰り返して課題に取り組む児童たちの姿を見ることができた。
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