次の問題はキャリアメールがないことだ。SNSのメッセージ機能を使ったり、Gmail等の活用をすすめていたりしてキャリアメールは不要という人も多いかもしれない。しかし、迷惑メール対策でキャリアメール以外をブロックしている人とはメールをやりとりする方法がない。格安SIMにはキャリアメールがないことに注意したい。
どうしてもキャリアメールを使いたい人は、ドコモ回線の契約があれば他の端末からもキャリアメールが使える。ドコモはスマートフォン用の「spモード」の契約があり「ドコモメールのマルチデバイス利用」の設定をしていれば、他の全く別のインターネット端末から一般的なIMAPのプロトコルでメールの利用が可能だ。つまり、格安SIMを挿したスマートフォンから、「〜@docomo.ne.jp」のメールが使えるということになる。これはiPhoneでもAndroidでも同様。PCのIMAP対応メーラーはもちろん、極端な例ではauやソフトバンクと契約しているiPhoneでも設定すれば利用できる。
おすすめは後述する組み合わせのひとつでもあるが、ドコモのフィーチャーフォンの回線を維持し、spモードのオプションを追加、他のスマートフォン等から利用できる設定をしてしまうことだ。ドコモはフィーチャーフォンでもspモードの申し込みができ、iモード単体の申し込みと料金が変わらない。設定してしまえば、フィーチャーフォンのパケット代をほぼゼロに抑えながら、スマートフォン等で自由にキャリアメールをやりとりすることもできる。
設定方法は、ドコモのウェブサイトから指示どおりに行えばよく、iPhoneをはじめ主要OS向けの設定が掲載されているので、それほど難しくない。
ただし、ソフトの設定にもよるが、プッシュ通知でメールを受け取る仕組みが基本的にない。メールソフトで設定する時間間隔でないとメール受診通知がないので注意が必要だ。非公式な方法を駆使すればできないことはないが、リアルタイムなメール着信を期待する場合に不向きだ。
続いて音声通話の問題だ。音声通話対応のMVNOのSIMは以前からあったが、この春、主要MNVOサービスのIIJmioが音声通話対応SIMサービス「みおふぉん」を登場させてから、俄然、注目が集まってきた。
みおふぉんの通話料は30秒ごとに21.6円(税込)と、ドコモのXiの音声通話プランと同じ通話料だが、Xiには存在する家族同士の通話無料、FOMA契約の家族の無料通話分のシェア、定額オプションを支払うことによるキャリア内無料通話といったサービスは提供されない。これらの恩恵を受けている場合には、負担が大きくなる。
また、MNPで転入する場合は、電話が使えない期間ができてしまう。既存キャリアの場合は店頭で手続きが済んでしまうので、1時間前後、電話が使えないくらいで済むが、IIJmioのみおふぉんをはじめMVNOでは開通センターでMNPの開通処理をしてからSIMを送付してくるため、数日間、使えない時間ができることは覚悟しなくてはならない。
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