「プロとして一眼レフなど高性能なカメラを使っていても、iPhoneは魅力的。理由は、iPhoneはシンプルだから。画面に没入し、撮ることに専念できる」──そう語るのは、写真家の三井公一(sasurau)氏だ。
三井氏は、iPhoneを35mmの単焦点レンズのカメラと思って使うという。ズームももちろんできるが、画質が落ちるからだ。「フットワークを使って、近寄る、下がる。それは写真の基本。レンズの制限があるから足で稼ぐ。縦でとるのか、時期は夕方のほうがいいのか、頭でも考える。アイデアを生かせるカメラ」と話す。
もう一つの魅力は「なんといっても、いつでもどこでも持っていること。どんなシャッターチャンスに恵まれても、カメラを持っていないと意味がない。いまのところ最強のカメラではないか。いつでもどこでも写真撮れると楽しくなるし、その写真共有して“いいね”が付けば嬉しくなる。撮ってもらって、見てもらって、上手くなってもらいたい」(三井氏)。
iPhoneは、女性を撮るのにも向いているという。理由はコミュニケーションのしやすさだ。写真家として、さまざまな女優や俳優らを撮っているが、最近では、iPhoneだけで撮ることも多いのだとか。iPhoneは、一眼レフと違ってかなり小さい。かけた声もよく通り、物理的にコミュニケーションのジャマにならず、自然な表情が出やすい効果があるという。
また、最近ではiPhoneユーザーも増え、ロケ中に横から覗いてきて、何のアプリ使っているのか、といった話題で話しが弾み、「一緒にいいものをつくろうという感じになることもある」(三井氏)。
iPhoneでいい写真を撮るコツは何か。「iPhoneは暗いところが弱いのではないかと言われるが、手ブレさえ防げばきちんと写る。片手で気軽にとる人が多いが、両手で撮る。メカニカルなシャッター(「+」「-」ボタン)はブレるから液晶のシャッターを切った方がいい」とアドバイスをくれた。
これまでiPhonegraphyと言えば「ちょっと色物的な扱いだった」と振り返る。しかし、イタリアの三脚メーカーとして知られる「Manfrotto」がiPhone 5用のケース「KLYP for iPhone 5」(4998円)をリリースした。「老舗のメーカーから製品が出てきたことがすごい。写真業界もiPhoneを本当のカメラとして認識し始めたのではないか」──三井氏は語る。
iPhone 5用ケースは、照明用ライトを装着したりミニ三脚を取り付けたりできる。ウェブサイトでは三井氏が審査員長を務める「マンフロット iPhoneography コンテスト」も開催されているのでPRしておく。受賞作品は2014年に開催されるイベント「CP+」で展示することも考えているという。
最後に、三井氏に聞いたお勧めiPhoneアプリ3本を紹介する。いずれのコメントも三井氏によるもの。
無料なので紹介しやすい。iPhoneアプリもAndroidアプリもあって、フィルタで効果を出しやすく、驚きを簡単に与えられる。
フィルタ機能もあるが、トーンカーブなどフォトショップ的な画質の調整もできる。オールマイティに使えるアプリ。
Tiffen(ティッフェン)というフィルタを製造しているメーカーのアプリ。銀塩的な味わいがあるフィルタが特長。
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