サムスンもスマートウォッチを開発--アナリストに聞く市場の動向 - (page 3)

Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年03月25日 07時30分

 スマートウォッチメーカーのPebbleはこの戦略を採用して、非常に小さなアプリを少しだけ搭載した小型デバイスを作成し、一方で負荷の高い作業のほとんどはスマートフォンで行うようにしている。誰もがPebbleを知っているとまでは言えないものの、同社がKickstarterで行った資金調達では、同社の予想をはるかに上回る1000万ドル以上が非常に短時間で集まった。

 そこで思い出すのがAppleだ。同社は独自のウェアラブルデバイスを開発中で、2013年中に発売予定だと報じられている。それがAppleのエコシステムに具体的にどのように適合するのかははっきりしない。それは特に、そうしたスマートウォッチが「iPhone」や「iPod touch」のように「iOS」アプリを動かせるようになることが大前提とされるからだ。この説の唯一の問題は、Appleがこれまで、より安価で小型なデバイスには、完全に異なるソフトウェアを搭載して差別化してきた実績があることだ。

 「iPod nano」は、Appleのスマートウォッチへの取り組みのスタート地点を示す立派な例だが、これは特別なOSを搭載している。最新バージョンのOSは、AppleがiPhoneや「iPad」で使っているiOSに少し似てはいるが、iPod nanoの機能をApp Storeなどを使って拡張することはできない。そしてiPod nanoの管理は、今でもAppleのデスクトップソフトウェアである「iTunes」に全面的に頼っている。Appleのスマートウォッチがスマートフォンやコンピュータとセットで使われるようになるならば、同じ道をたどる可能性はある。

 しかしBarclaysのアナリストのBen Reitzes氏は、Appleにはその戦略を転換して、iOSプラットフォームを拡大するだけの十分な動機があると語る。2月に発表した投資家向けの文書でReitzes氏は、Appleユーザーはこうした種類のデバイスを数年おきに買い換える割合が高いため、AppleはiOSを拡大することによって、買い換えによる良いビジネスを生み出すことができる、それは一種のサブスクリプションサービスのようなものだ、と書いた。

 「われわれは、実際にAppleの売上高全体の40%を買い換えによる売上高が占めていると考えている。これは多くの人が思っているよりもはるかに高い割合だ。Appleが新しい製品やサービスを追加し続けられれば、買い換え需要は強まるばかりだ」(Reitzes氏)

 ただしそこには、Appleとサムスンの違いの1つがある。Appleは製品ラインアップの拡大をかなり控えており(その最新の例がiPhoneやiPadだ)、まさにそのシンプルさをベースとして製品を売り込んできた。一方、とりあえず試してみて、何が起きるかを確認するのがサムスンの方法だ。それは、機能が複雑で使いにくくなったり、製品が売れなかったりといった奇妙な副作用を引き起こす可能性はあるが、その戦略こそが、「GALAXY Note」のような、信じられないような成功につながったのである。腕に着ける製品からサムスンが利益を上げられるかどうかは、時間がたってみなければ分からない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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