グーグルの「Nexus 10」レビュー--「Android 4.2」搭載フルサイズタブレット(前編) - (page 3)

Eric Franklin (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2012年12月26日 07時30分

ハードウェアの特長

 Nexus 10はタブレットとして初めてサムスン電子の1.7GHzデュアルコア「Exynos 5250」(訳注:現在の製品名は「Exynos 5 Dual」)というシステムオンチップ(SoC)を搭載した製品である。GPUは「Mali-T604」であり、RAM容量は2Gバイトとなっている。Exynos 5250は、Appleの「A5」や「A6」プロセッサファミリに対抗できる初のタブレット向けCPU製品の1つである「Cortex-A15」プロセッサアーキテクチャを用いて製造されたCPUだ。また、802.11 b/g/n(2.4GHzと5GHz)のほか、MIMO技術を採用したWi-Fi、Bluetooth 4.0、GPS、近距離無線通信(NFC)をサポートしている。さらにジャイロセンサや気圧センサ、加速度センサ、デジタルコンパスも搭載している。

2世代目となる「Jelly Bean」(Android 4.2)

 Nexus 7の「Android 4.1」を目にしたことがあるのであれば、Android 4.2がどういったものになるのかは想像がつくはずだ。操作時に感じられる統制された、そしてやりたいことに集中できるフィーリングは、タブレット市場において今までNexus 7でしか味わえなかったものである。また、従来のAndroidタブレットが提供していたインターフェースよりも初心者にとってやさしく、Nexus 7が7月に発売された時の実装よりも制約が少なくなっているように感じられる。


提供:Josh Miller/CNET

 ホーム画面の下部に表示されるおなじみのトレイには、「Google Play」や「Google Play Music」「Google Play Books」「YouTube」「Google Play Magazines」といったGoogleのサービスアプリがデフォルトで配置されている。また、「Google Maps」や「Google Plus」「Gmail」といったサービスに加えて「Google Chrome」を格納したフォルダも用意されている。トレイの中央にはアプリボタンがある。ホームボタンからアプリボタンを横切るように上に向かってスワイプすると、予測検索機能を搭載したGoogleのパーソナルアシスタントアプリ「Google Now」が起動する。

 Google Nowは、音声認識機能を用いて検索語を取り込み、現在の天気や路線バスの時刻表、あなたが興味を持ちそうな近所のレストランなどの情報を表示するアプリである。このアプリが目指しているのは、あなたが必要とした時に情報を表示するというものだ。つまり、今が午後5時なのであれば、ぼちぼち仕事が終わる頃だと判断し、自動的に最新の交通渋滞情報を表示してくれるというわけだ。こういった情報は適切なタイミングでGoogle Now上に表示される。筆者は数日間、Google Nowを使用してみたが今のところは、頼みもしていない近所のレストラン情報や、新着電子メールの通知といった程度の情報しか提供してくれていない。


提供:Josh Miller/CNET

Android 4.2の新機能

 Android 4.2にはいくつかの新機能がある。それらは興味深くかつ有益なものもあれば、単にクールなだけというものもある。まず、「Gesture Typing」という機能は、「Swype」に代表されるスワイプ入力に対するGoogleのネイティブOSからの回答と言えるだろう。筆者はSwypeユーザーではないものの、指のスライド動作を正確に読み取って、ユーザーが入力したい内容をおおむね正しく判断するという能力には感銘を受けた。ただ、「badass」(たちが悪い)という単語の入力が行えず、筆者にとってそれは受け入れ難いことだった。

 タブレットの設定にはずっと簡単にアクセスできるようになった。画面の右上隅から下に向かってスワイプすると、画面輝度やWi-Fi設定、一般設定、バッテリ残量、機内モードといった設定へのショートカットを格納したトレイが表示される。


提供:Josh Miller/CNET

 また、拡大機能はNexus 10の高い画面解像度を活用するためのものだ。設定でこの機能を有効にしておけば、画面を素早く3回タップするだけで、その領域を拡大表示することができる。これはイメージやテキストを拡大し、輪郭をスムーズにするためのアンチエイリアス処理を行うズーム機能とは異なっている。拡大は単に大きくするだけなのだ。この機能は視力の弱い人にとって重宝するだろうが、アンチエイリアス処理がないという点に筆者は少し失望した。

 「Daydream」は基本的に、タブレットのスリープ時や充電時に実行される対話型のスクリーンセーバーである。表示内容としては、現在時刻や色のグラデーション、ジェリービーン、筆者お気に入りの「Google Currents」を設定できる。Google Currentsを設定すると、フィードされてくる情報が画面上をゆっくりとスクロールし、いずれかをタップすることで、アプリ上で詳しいストーリーを表示させることができる。


提供:Josh Miller/CNET

 Gmailはデザインが一新され、便利な機能が追加された。少なくとも筆者にとっては便利な機能だ。受信トレイを選択した状態でメッセージをスワイプすると、そのメッセージがアーカイブされるのである。これは、ちょっとしたことでしかないように思えるものの、大量のスパムメールを送りつけられている人にとっては、エクスペリエンスに大きな違いをもたらす素晴らしい追加機能と言えるだろう。

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