2012年のテクノロジニュース20--米CNETが振り返るこの1年 - 8/20

第8位 劣悪な労働環境を非難されたFoxconn

　われわれが気に入っている家電製品を多く製造している工場の労働環境が長いこと人々の関心を集め、それらの工場と契約しているメーカーがその理由の1つだった。

　中国のFoxconn工場に勤務する複数の従業員が建物から飛び降りて自殺した。Foxconnや別の委託製造会社であるPegatronが経営する工場で爆発が起こり、従業員に怪我人や死者が出た。そして多くの場合、中国人従業員が手にする給与は、家計をやりくりして、少額を故郷の家族に送金するとほとんど何も残らない金額だった。

　The New York Times（NYT）がFoxconnの労働環境に関する詳細な記事を掲載したことから、この問題は山場を迎えた。活動家たちはFoxconnとAppleに対する圧力を強めた。AppleはiPhoneとiPad、および「iPod」の製造をFoxconnに委託しているため、2012年にこの記事と関連して間違いなく最も大きな注目を集めたガジェットメーカーとなった。従業員たちは暴動を起こすことさえした。米公正労働協会（Fair Labor Association：FLA）は3月、Foxconnによる複数の労働基準違反に言及した報告書を発表した。FoxconnとAppleの両社は労働環境を改善することに、特にガジェット製造を担当する多数の従業員の給与を増額することに同意した。しかし従業員の権利団体は、注目が薄れるにつれて労働環境は再び悪化していくのではないかと懸念している。

　Appleの最高経営責任者（CEO）であるTim Cook氏は先頃、同社が「Mac」製造作業の一部を米国に移していると述べたが、それは部分的にこの問題をめぐる反動の結果であるのかもしれない。

提供：Jay Greene/CNET