ASUS製品が生み出される哲学とこだわり方--Jonney Shih会長 - (page 2)

別井貴志 (編集部) 坂本純子 (編集部) 撮影:津島隆雄2012年11月29日 09時00分

――PCとタブレットの一体化など、さまざまな移り変わりがある中で、今後もノートPCやデスクトップPCなどの形も変わっていくと考えられます。長期スパンで考えたとき、なにがPCメーカーとしてポイントになるのか?他社との差別化ポイントについてどう考えますか。

 たとえばWintel(ウィンテル)という言葉があって、30年間そこに安住していました。何ギガヘルツ、メモリがいくつということでずっと安泰でした。そこに、大きな変革やメガトレンドの波が押し寄せています。OSであってもCPUであってもメモリであってもシャッフルしなおされていく。メガトレンドに直面しているのです。そこで必要になってくるのは、変化、課題に対して適応する能力です。

 現状に満足し、現状に安住していてはなりません。メガトレンドの時代には、顧客やユーザーも変わっていきます。テクノロジもどんどん変わっていきます。このときに、どのように対応すればいいかをしっかりと見極めていないとなりません。

――Jonney Shih会長のモノ作りのこだわり、情熱はどこからくるのでしょうか。

 私はエンジニアリングのバックグラウンドがあり、テクニカルなものが好きでした。いつかこういう会社をつくろうと思っていたのです。ソフトウェアとハードウェアのテクノロジを基盤とし、テクノロジや理論だけではなくて、品質をどうやったら確保できるか、どうしたらもっとスピード感をもって開発できるか。コストの面など少しずつ要素を増やしながら徐々に考えていきました。

 台湾の場合は中国とくらべれば国土も小さいし、小回りの利くビジネス展開ができる、というのも1つのポイントだったかもしれません。

 各国の特性を考えてみると、その中で個人主義的であり、柔軟でありスピード感もあるのが台湾ではないでしょうか。日本と韓国における一つの共通点は、規模の大きな企業が存在していることです。つねに集団、あるいはグループに追随していくというメンタリティになりがちなのがこの2カ国。チームワーク重視という集団の考え方は利点もありますが、ここから逸脱したことはいけないのか、となる部分もあります。

 ドイツは、規律正しく慎重という面では日本と同列にありますが、ドイツは日本と比較するとグループ指向よりも個人志向が余計に強いと思います。

 これらは、どこがいい悪いという話しでは一切ありません。お互いのいいところを生かしながら、お互いのいいところを学んでいくのが理想的です。

――ところで、手にされているのは「PadFone 2」でしょうか。日本ではまだ発表されていませんが、どのように展開になるでしょう。

 時期は未定ですが、最善を尽くしていきたいと思います。このPadFone 2は、4.7インチの「phone」と10.1インチの「pad」で構成されています。OSはAndroid 4.0で、パワフルなクアッドコアのプロセッサ(Qualcomm Snapdragon S4 Pro Krait Quad-Core 1.5GHz with Adreno 320 graphics)に、64Gバイトのフラッシュストレージ、2Gバイトのメモリを搭載し、LTEにも対応します。

 パフォーマンスと消費電力、バッテリ寿命、重量など、すべてを完璧にできない場合、右脳と左脳の思考でどうトレードオフするかといったときに、コンシューマーにとってベストなものはこれだ、とできた製品です。

 スマートフォンとタブレットの両方を合わせてもiPadより軽量です。別々のものという形にとらえてはいけない時代に入っており、一体化をどのようにしていくか、ということもポイントになってきています。

 単独だと駆動時間は16時間ですが、ドッキングさせれば36時間になる。ブラウジングにも、バックアップの電源としても利用でき、いろいろな使い方ができるのです。

「PadFone 2」
「PadFone 2」

――日本での発表も楽しみにしています。

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