上記の方法はすこし面倒すぎる、もっと手早く電子書籍ストアを決めたいという人におすすめなのは、なるべく新規会員登録などの手続きをしなくて済み、端末も手持ちのものが使える範囲でストアを選ぶという、ある意味ズボラな方法だ。品揃えを完全に無視した選び方になるが、まったく未知のサービスに個人情報を預けるリスクもないので、合理的な方法のひとつと言える。
たとえばKindleストアであれば、Amazonの会員登録情報からそのまま使え、支払いのためのクレジットカードも登録済みのものがそのまま利用できる。Google Play ブックスは、Googleアカウントを用い、Google Playでアプリを買うのと同じフローで購入できる。どちらもiOS/Androidのアプリが用意されており、購入は端末からでも、PCからでもできる。手軽に試したいというニーズにぴったりだ。
また、視点をまったく変えて、無料で読める電子書籍ストア、たとえば「Jコミ」で漫画を探してみるというのも一興だろう。無料なので他のストアにある支払い情報登録のフローがまったくなく、まずは気軽に電子書籍を試してみたいというニーズに合致する。
さて、上記のいずれかでメインのストアがひとつ決まれば、以降はまずそこで電子書籍を探し、自分の読みたい本が見つからない場合のみ、別のストアを探すようにするとよい。つまり「メイン1+サブ複数」にするわけだ。
メインを1つに絞る理由は、どのストアでどの本を購入したか、あとでわからなくなるのを避けるためだ。最近ではPCやiOS、Androidなどマルチデバイス対応が進んでいるので、仮に3つのストアに対して3つのデバイスからログインすると、3×3=9回もIDとパスワードを入力するハメになる。
セットアップしてIDとパスワードを入力するだけでも手間なのに、ログインした先のストアに目的の本がなかったとなると、イライラが最高潮に達するのは必至だ。これから電子書籍を始めるという場合には、なるべくストアの母数を絞ることをおすすめしたい。
もっとも、この考え方には異論もある。つまり複数のストアで分散購入しておいたほうが、そのストアに倒産や事業閉鎖など万一のことがあっても、本を失う確率を低減できるというリスクヘッジ重視の考え方だ。前回紹介した楽天Rabooのような問題も実際に起こり始めており、あながち冗談では済まなくなってきているわけだが、このあたりは個人の考え方に大きく左右されるところなので、判断は個々に委ねたい。
以上ざっと見てきたが、Kindleの上陸とGoogleの参入によって、考えうるプレーヤーのほとんどが電子書籍の舞台に上った現在、有力ストアの参入を待つ必要はなくなったといえる(今後あるとすれば海外の有力電子書籍ストアであるNOOKを傘下に収めたマイクロソフトと、日本版iBooksStoreの本格開店を控えるAppleくらいだろうか)。上記の方法を参考にして、自分に合ったストアを見つけるところから、電子書籍ライフを始めてみてほしい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手