“知ったかぶり”したい人のための電子書籍入門--(3)ストア編 - (page 2)

「自分が読みたい新刊が取り扱われているか」でサイトを探す

 では何を基準にストアを選べばよいかだが、ズバリ「自分が読みたい本が取り扱われているか」「次に新刊がでた時に取り扱われる可能性が高いか」だ。これを調べるためには、電子書籍の横断検索サービスを利用し、自分が過去何カ月間かに購入した本のタイトルを検索してみるとよい。こうした検索でヒットする確率が高いストアは、自分との相性がよい可能性が高いというわけだ。

 ただ残念ながら、この「電子書籍の横断検索サービス」は個人運営のものを含めて数あれど、現状では各ストアの網羅性やデータの更新頻度、また検索の精度からして、上記の使い方にぴったりと呼べるほどのサービスはない。総合的に判断してなんとか実用水準に達していると思われるサイトを以下に紹介しておくので、これを叩き台にして各電子書籍ストアで直接探すのが、現実的な方法だろう。

 なお、以下のスクリーンショットでは、本稿執筆時点では国内でまだ著書が電子書籍化されていない「村上春樹」を検索した際の画面を集めている。

  • 「e読書.jp(β版)」。関連本が大量にヒットするが、詳細検索から著者という条件をつけるときちんと適合する本なしと表示される。検索結果がやや特定ストアに偏る傾向にあるようだ

  • 「BOOK asahi.com」。こちらもほぼ同様の傾向で、著者名に限定するときちんと該当データなしで表示される。詳細検索では電子書籍ストアを選んで検索できるが、むしろ電子より紙に強い印象

  • 「ダ・ヴィンチ電子ナビ」。先の2サイトとはまったく異なるタイトルが多くヒットする。電子書籍ストアを選んで検索できるが著者名に限定できないので関連本を除外できないのがネック

 ところで、比較のために電子書籍タイトルを検索する際のコツは「なるべく最近発行されたタイトルで検索すること」だ。というのも、新刊が電子書籍化されるまでのスピードは、各ストアによって大きく差があるからだ。

 たとえばシリーズものの漫画で、他のストアには最新刊が早くから並んでいるのに、自分が利用しているストアでは1つ前の巻までしか揃っていない、といったことになれば、ストレスが溜まることは確実だからだ。遅れるのが数日なのか、数カ月かによっても異なるが、たとえ数日であっても毎回遅れるようでは、買う気持ちが萎えてしまって当然だろう。

 この「取り扱っているが他社よりも新刊の投入が遅い」というのは、まったく取り扱いがないことよりも実はタチが悪い。取り扱いがなければ最初から別のストアで揃えるという選択肢があるが、うっかり既刊を買ってしまったあとに新刊が遅いことに気づいても、購入済みの本ごと他のストアに乗り替えるのは困難だからだ。電子書籍を始める際、ひっかかりやすいポイントのひとつだと言えるだろう。

 以下に、本稿執筆時点では第5巻が最新刊の「テルマエ・ロマエ」(売上ランキング1位のストアが複数あるほどの人気タイトルだ)を各ストアで検索した結果を掲載しておく。いずれも2012年10月30時点の状況だが、各ストアの差が一目瞭然だ。

  • 「Kindleストア」。1~5巻までがすべて揃っている。価格は今回比較した中では最安値で、1巻のみおよそ半額

  • 「koboイーブックストア」。価格はKindleと並んで最安値だが1~4巻までしかなく、5巻がない。検索では無関係な書籍がヒットする

  • 「BookLive!」。1~5巻までがすべて揃っている。本稿執筆時点では1巻の無料キャンペーンが行われている

  • 「Reader Store」。1~5巻までがすべて揃っている

  • 「GALAPAGOS STORE」。取り扱いなし。同書のイラストが帯に使われた書籍が表示される

  • 「eBookJapan」。1~4巻までしかなく、5巻がない

  • 「BOOK☆WALKER」。1~5巻までがすべて揃っている

  • 「honto」。1~5巻までがすべて揃っている

  • 「紀伊國屋書店BookWeb」。1~5巻までがすべて揃っている

  • 「電子書店パピレス」。取り扱いなし

  • 「BooksV」。取り扱いなし。同作品を扱った雑誌コラムや著者インタビューがヒットする

  • 「ニコニコ静画」。1~5巻までがすべて揃っている

 もちろん上記の「テルマエ・ロマエ」だけで各ストアの傾向が分かるわけではないので、興味のある別の本で探し直してもらうとして、自分が直近数カ月のうちに購入した本をいくつか検索すれば、どのストアが嗜好に合っているかが見えてくる。また、上記を調べる過程で、価格や付与ポイントの違い、また1巻無料など各ストアごとのキャンペーンが見つかるはずなので、それも選定条件に加えるとよい。

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