FAQ:FacebookのIPOとは--実施前に知っておくべきこと - (page 2)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年05月17日 07時30分

 また企業は、より幅広い投資家ベースから資金を調達し、調達した資金を事業に投資するために、株式を公開する。その企業に長期投資している株主にとっては、それが、自らの保有する個々の株式から可能な限り大きな価値を得る1つの方法だ。

 FacebookはIPOから136億ドルの資金を調達する見通しだ(株価範囲を引き上げたことで、この額はさらに大きくなる)。これを健全な軍資金として活用し、Instagramのような企業の買収や、特許訴訟に対する防御、ひいてはタイムライン2.0(そしてその後の100種類におよぶバージョンでも)の開発など、あらゆることを実現できる。

 Facebookは避けることのできないIPOに向けて、普通とは異なるルートを歩んできた。多数の利用者を抱えるテクノロジ新興企業は、その大半が可能な限り早く身売り先を探すか、株式を公開する。Facebookはそのどちらも選択せず、非公開企業としてユーザーベースとビジネスモデルを構築し、外部からの買収の提案や、株式公開を求める声を退けてきた。それは最終的に選択の余地がなくなるまで続いた。

 結果として、Facebookは平均的なIPO企業よりもはるかに成熟した企業となった。それには良い面も悪い面もある。プラスの点に目を向けると、Facebookは自社の事業を比較的正確に把握しており、優れたユーザー指標を誇っている。逆に、議論の余地はあるにしても、同社の成長の可能性は、過去に高値でIPOを実施したテクノロジ企業と比べるとはるかに低い。

--なぜこれほどの騒ぎになっているのか。

 FacebookのIPOは長いこと、テクノロジ業界とビジネスの世界の両方において、大きな話題の1つになっている。同社は、GrouponやLinkedIn、Zyngaなど、さまざまな結果を引き起こした近年の一連のテクノロジIPOと同じ道をたどっている。FacebookのIPOは、それらすべての中で最大のものになるだろう。

 Facebookに関連する数字は圧倒的なものだ。同社は、5億2600万人のユーザーがFacebookを毎日チェックしていると豪語する(1カ月に1回ログオンするユーザーは9億100万人だという)。1日に発生する「いいね!」およびコメントは32億件、1日にアップロードされる写真は3億枚、「友達」関係の総数は1250億だという。

 先週発表されたある調査結果によると、従来型の無線通信キャリアのメッセージング事業に壊滅的な打撃を与えていたのはGoogleやAppleではなく、Facebookだという。通信の必要が生じたときにFacebookを利用するユーザーが増えているからだ。

--私はFacebookを毎日利用している。私もこのIPOに参加するべきだろうか。

 早い時期に関わろうとすることはおすすめしない。IPOとは、排他的なウォール街クラブを教科書的に定義した言葉だ。一般的に、IPOで本当の利益を得る投資家は、企業が実際に株式を公開する前に関与できるだけの影響力やコネクションを持つ、現在の株主や投資家だけだ。それは多くの場合、大規模な機関投資家や裕福な個人であり、企業がいったん株式を公開したら、取得した株式を「素早く売却」して、短期間で利益を得ることのできる人々である。

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