いったい何が起きているのだろうか。Facebookに事業運営の手段を提供している当の本人であるコミュニティーが、このような悪感情を抱くのはなぜなのだろうか。
個人的な恨みではない、という「ゴッドファーザー」からしばしば引用される名文句が、この問題にも当てはまるだろう。しかし、Facebookは急速に成長している企業だ。2011年3月31日から2012年3月31日までの間に、フルタイムで勤務する同社の従業員数は約48%増加して3539人になっている。Facebookはその途方もない成長とともに、テクノロジ分野で急成長を遂げたほかの新興企業を悩ませてきた成長期の苦しみも味わっている。1990年代中ごろ、Netscapeも顧客とサードパーティー開発者の両方からの要望を十分に処理できなくなったことを思い出してほしい。やがて一部の人々がNetscapeを非難し始め、同社は傲慢だという批判を展開した。事実は異なっていたのだが、多くの人々がそうした見方を真実ととらえ、Netscapeはそれを払拭するのに苦労した。
確かに、Facebookはセルフサービス広告システムによって、大成功を収めてきた。この広告システムでは、広告主はFacebookユーザーのセグメントに対して細分化されたメッセージを届けることができるのだが、そのセグメントは位置情報や性別、そのほかの判断基準によって抽出された、ウェブのほかの場所では実現困難な精度と具体性を持つ。Facebookは先ごろ、同システムのテスト用のアップグレードを開始したところだ。
Googleでさえ、セルフサービス広告システムを超えて発展するのに長い時間を要した。今日、同社の販売担当者の活動範囲は世界中に及んでいる(皮肉なことに、かつてGoogleでグローバルオンライン販売および事業担当バイスプレジデントを務め、現在はFacebookの最高執行責任者(COO)であるSheryl Sandberg氏は、Charlie Rose氏とのインタビューで、「Googleの本質はアルゴリズムと機械への着目にある」と述べている)。
しかし、Facebookに打診している大手広告代理店の幹部たちは、少なくとも代理店が欲する広告フォーマットという点について、Facebookがこれまで提供してきたものよりも多くを求めている。そして、あらゆるマーケッターは、現在9億人という先例のない規模に達したユーザーにリーチする、より多くの方法を見つけたいと考えている。
Mark Zuckerberg氏が世界をつなぐためにハーバード大学を中退してシリコンバレーに向かったとき、確かに同氏は広告主のための場所を作り出すことを念頭には置いていなかっただろう。Zuckerberg氏はIPO申請書類(Form S-1)の株主に対する書簡の冒頭で、「Facebookはもともと、企業になるために作られたのではなかった。Facebookは、世界をよりオープンで、よりつながった場所にするという社会的使命を果たすために構築された」と述べている。そして、同社が行うあらゆる意思決定の根底にはその使命が存在し続けると同氏は書いた。
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