続いては、アエラ1月30日号の特集「スマホ全員支給時代」の取材担当記者が、記事に使用した独自アンケートの結果を公表した。それによれば、回答した企業のうち半数以上がすでにスマートフォンを導入している、もしくは導入を検討しているという。その動機として大きいのは、ひとつは営業ツールや社内のメールを確認する端末として、提案力の増強や業務効率化を図るケース。もうひとつは、社員間の外線・内線電話として利用し、経費削減を重視したケースだという。
一方で、多くの情報が扱えることに起因するセキュリティリスク、国際電話利用に伴う予想外の費用負担といった、導入後の課題は強く意識されているようだ。コミュニケーションが円滑かつリアルタイムにできるるだけに、時間外のコミュニケーションが発生したり、電波状況やバッテリー持続時間などの問題もある。だが、それを考慮しても「メリット、デメリットがある中で、確実にスマートフォンの普及は進んでいる。スマートフォンのビジネス活用については“使ってみれば便利”という印象を持つ企業が多かった」(担当記者)ということだ。
事例講演では、NTTドコモ 第一法人営業部 担当部長の上原宏氏が登壇。「Androidスマートフォンのオープン環境の利用」と題して、スマートフォンの成長と特徴、マーケティングの観点からの活用方法、クラウドサービスの活用方法と応用例、重要視される各企業のセキュリティ対策などを紹介した。
上原氏は「スマートフォンは直感的な表現と操作感により、ガラケーで訴求が難しかった層に対しても自然かつ急速に裾野が広がってきています。TwitterやFacebookなどソーシャルメディアの利用頻度が高いのも特徴です」と解説。地方銀行での活用をはじめ、多彩な具体例を挙げて会場の注目を集めていた。本セッションについては、追って解説の場を設ける予定だ。
セミナーの最後には「ビジネスを変えるスマートフォンのインパクト」と題し、アイ・ティ・アール シニア・アナリストの舘野真人氏とCNET Japan編集長の別井による閉幕対談も行われた。アイ・ティ・アールの豊富な調査資料と分析結果に基づき、スマートデバイスの定義をはじめ、実際の導入実績、現場において期待できるメリット、実際の活用方法やセキュリティまで内容は多岐にわたった。
舘野氏は「ビジネスにおいて、もはやスマートフォンは一企業が“使う、使わない”というレベルの話ではなくなってきています。そうであれば使用を前提に、セキュリティ対策も含めて早めに動くのが得策です。それが活用にもつながっていくわけです」と語った。企業がスマートデバイスの利用を認める、認めないにかかわらず、既に現場では社員が業務に利用している実状をデータで示し、BYPD(Bring Your Own Device、私物デバイス)の利用についても話しはおよんだ。舘野氏は「個人的には私物デバイスをすべて禁止してしまうより、むしろ条件を付けて使わせた方がメリットがあると考えている」と説明した。
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