Googleでウェブスパムを防ぐチームのリーダーを務めており、検索品質についてのブログを開設しているMatt Cutts氏は1月11日、ソーシャル情報で強化されたGoogleの検索結果には、Google+だけでなく、多くの情報源が用いられていることを説明するのに苦心していた。「Search plus Your Worldはわれわれが2009年に開始したソーシャル検索を基礎としており、Quoraや、(Facebookの)FriendFeed、LiveJournal、Twitter、WordPressなど、ウェブ中のサイトから公開コンテンツを検索することができる」(Cutts氏)
なんと、Twitterもあるではないか。Googleは2009年に開始したリアルタイム検索で、Twitterのデータを対象としていたが、1年半後にGoogleとTwitterは契約を更新せず、このサービスは停止している。しかし、Googleは、Twitterのリンクを直接インデックス化しなくても、ウェブ上のほかのページがそれらにリンクすれば見つけることができる。
Googleがソーシャル情報で検索結果を補う方法の1つは、検索者自身のGoogle+コンタクトからの情報を検索対象にすることだ。うまくいけば、これは便利なものになる可能性がある。競争の上ではそれほど意味がない。というのは、Google+を使っていない人には何も表示されないからだ。ただし、あまり熱心に使用していなかったユーザーにとっては、Google+に触れる機会が増えることになる。
頭が痛い問題なのは、Google+ユーザーではない検索者にGoogle+の情報の検索結果を示すことだ。例えば、検索結果では、有名人のGoogle+プロフィールが大きく取り上げられるだろう。こうしたGoogle+プロフィールは、その人について検索した場合、またはその人がGoogle+で取り上げているテーマについて検索した場合に表示される可能性がある。
悩ましい問題である理由は、それが「抱き合わせ」や「バンドリング」の状態に近くなるからだ。抱き合わせやバンドリングを行えば、ある市場で独占力を持つ企業がその力を使って別の市場にまで手を伸ばし、競争を損ねるほどになる。しかし、それは単純明快な問題ではない。有力なテクノロジ企業が自己の利益となるような新機能を追加するのはよくあることだ。仮想通貨である「Facebookポイント」や、ソーシャル共有サービスの「iTunes Ping」などがその例に当たる。Microsoftが「Windows」に「Internet Explorer」をバンドルしたときのように、ある企業が責められるのは例外的だ。Googleが新たに独占禁止法の調査を受ければ、Twitterのデータを維持するためにGoogleがどのくらい奮闘したのかが明らかになるだろう。Googleの努力は、MicrosoftがWindowsの中にNetscapeのための場所を確保しようとしたときよりも、ずっと大変なものだったように思われる。
Google検索でGoogle+を目立たせるというやり方に対して、Twitterはいらだちを示している。同社の法律顧問であるAlex Macgillivray氏は1月10日、以下のようにツイートした。
インターネットにとって悪い日だ。bit.ly/Am5bqz 以前勤務していた立場から言わせてもらうと、検索がこのようにゆがめられることについて、@googleでも意見の衝突があるものと思われる。
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