もちろん、われわれはウェブ上で、ソーシャルではない活動も数え切れないほど行っている。ストリーミングされた映画の鑑賞、クッキーのレシピの検索、代数の勉強、自転車の購入、ホテルの部屋の予約などがそれに該当する。しかしそこでも、ソーシャルな判断がそうした活動の多くに影響を与えるだろう。
ユーザーのソーシャルコンタクトが公開した情報を含めることで検索結果は改善する、というのがGoogleの確固たる主張だと筆者は考える。筆者の同僚が2011年のMobile World Congressで宿泊したのは、バルセロナのどのホテルだろうか。妹はあの映画が好きだっただろうか。息子の教師は、あのオンライン教材を勧めていただろうか。
現在、オンライン上のこの種のソーシャル情報は、お世辞にも気が利いているとは言えない形で提示されていることが多い。しかし理想的なインターネットでは、そうした情報は、現実世界で友人や家族、同僚、同級生と話すときと同じくらい、さりげない形で届くだろう。
ここで、Googleが重要になる。人々がFacebookやTwitterを使うのは、自分の考えを話し、同時に自分がフォローする人々の考えているあらゆることに耳を傾けるためだ。しかし、Googleで検索するのは具体的な答えを求める場合である。もちろん、ソーシャルネットワークで買い物のアドバイスを求めたりもするが、そこで使用するのは、自動化されたアルゴリズムの魔法というよりも、サイトが用意している手動のプロセスだ。FacebookやTwitterの関心は、すべてを把握するデータベースになることよりも、ユーザーのアップデートストリームに広告を挿入することや、ユーザーが見たいと思われる商品を通知すること、ユーザーのコンタクトにユーザーがどんな音楽を聴いているのか知らせたりすることにあるように思える。
Googleにとって大きな問題の1つは、Search plus Your Worldで、どのソーシャルシグナル(手掛かり)やソーシャル情報を使うかだ。FacebookとTwitterの結果が含まれていないのは偶然ではない。
その理由は間違いなく、FacebookとTwitterは自分たちがユーザーの生活の中心になりたいと考えており、Google検索が第1の目的地で、自分たちはたまたま登場する単なる第2の目的地であるというのを望んでいないことにある。だれも彼らを責めることはできない。
FacebookとTwitterが情報源となれば、GoogleのSearch plus Your Worldにとってはメリットとなるが、この2社は許可を与えないとGoogleは考えている。Googleのフェローで検索担当幹部のAmit Singhal氏は検索サービスを長年研究しているDanny Sullivan氏とのインタビューで、「FacebookやTwitterなどのサービス利用規約では基本的に、彼らのサービスを深くクロールして、データを保管することを禁止している。Google+はそうした持続的なサービスを提供する唯一の(ネットワーク)だ」と述べている。またFacebookのデータ自動収集に関する条件には、「Facebookからの書面による明示的な許可がなければ、自動的なデータ収集を行うことはできない」とある。
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